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故国を偲ぶ在日同胞1世の余生を安らかに

登録:2015-03-17 20:45 修正:2015-03-18 07:00
「故郷の家・東京」着工式
チョン・ヨンム ハンギョレ新聞社代表理事が「故郷の家・東京」着工式に参加し発言している。//ハンギョレ新聞社

 日本が“第2の故郷”になった在日同胞たちが、日本で安らかに余生を送れるよう支援する老人療養施設「故郷の家・東京」の着工式が17日開かれた。 この日の行事にはチョン・ヨンム ハンギョレ新聞社代表理事、ユ・フンス駐日韓国大使、キム・スハン元国会議長、イ・インホ韓国放送理事長、鳩山由紀夫元首相、野中広務元官房長官など韓国と日本から約400人が参加した。

 東京港区の在日大韓民国民団中央本部で開かれた着工式で、チョン代表理事は「『故郷の家』は孤独な在日同胞高齢者にとって故郷の役割をする施設と聞いている。 この運動の提唱者であるユン・ハクチャ先生(田内千鶴子・1912~68)は孤独な方々に特別な愛情をお持ちだった。 このようにお互いに向けた愛の心が広がることに韓国の進歩派を代表する言論であるハンギョレも共にする」と話した。

 故郷の家を作り運営している社会福祉法人「こころの家族」の尹基(ユン・ギ)理事長は「日帝時から木浦(モクポ)で永く共生院を運営し“孤児の母”と呼ばれた母親(ユン・ハクチャ氏)が生前に故郷の日本を懐かしがって「梅干しが食べたい」と話した事実を思いだし、故郷の家を始めた」と話してきた。 ユン先生は朝鮮総督府の官吏だった父親について1919年に朝鮮半島に渡ってきたが、生涯を通じて約3千人の孤児を世話した。母がいつも故国を懐かしがったように、故国に戻れなかった在日同胞たちが可能な限り故郷と似た条件で最期の瞬間を過ごせる施設が必要だと感じたということだ。

 ユン理事長は88年9月、韓国と日本の社会各界の支援を受けて日本で「こころの家族」を設立し、現在までに大阪(1989年)、神戸(2001年)、京都(2009年)などに故郷の家を用意した。 最も最近作られた故郷の家・京都では、現在160人の在日同胞の老人が余生を送っている。

 野中広務元官房長官は「日本人が第2次世界大戦で多くの人々を連行し困難な仕事をさせ、軍人として徴兵し、工場で仕事をさせた。今の政治がそのような事実を認めて、こういう厳しい道を歩むことになった方々に少しでも恩返しできる選択をするよう願う」と話した。

東京/文・写真キル・ユンヒョン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/682648.html 韓国語原文入力:2015/03/17 19:16
訳J.S(1116字)

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