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米国、北朝鮮の「ソニーハッキング」お見通しだった

登録:2015-01-19 23:47 修正:2015-01-20 06:20
NYT、国家安全保障局の秘密文書報道
韓国などの支援受けブックハッキング
オバマ大統領の「北朝鮮の仕業」断言の根拠
知りながらも事前に防げなかったのは
情報収集手法露出の懸念から
米国国家安全保障局(NSA)の紋章。 //ハンギョレ新聞社

 米国家安全保障局(NSA・絵)が、昨年11月「ソニーハッキング」事件が発生するずっと以前の2010年から、韓国などの支援を受け北朝鮮のインターネットシステムに侵入し、北朝鮮のハッカーの活動状況を監視していたことが明らかになった。米政府が金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮労働党第1書記の暗殺を描いた映画『インタビュー』の製作会社ソニーをハッキングしたのが北朝鮮だと断言できたのも、米国が北朝鮮のシステムをハッキングし、長い間手に取るように監視してきたからだという点が確認された。

 米国の情報当局は、2010年から北朝鮮と外部世界を繋ぐ中国のインターネット網を潜り抜けた後、北朝鮮のハッカーが愛用するマレーシア回線を通じて北朝鮮のネットワークに直接浸透しサイバー工作の現況を把握してきたと、米ニューヨーク・タイムズ紙が18日、米国の元官僚とコンピュータ専門家たちの言葉を引用して報じた。米国は、特にこの過程で韓国をはじめとする同盟国の支援を受け、北朝鮮がソニーをハッキングしようとする兆しを事前に察知していたというのだ。ニューヨーク・タイムズが引用した国家安全保障局の秘密文書によると、米情報当局は、すでに2010年頃、北朝鮮のハッカーが使用するコンピュータとネットワークの内部活動を追跡できるハッキングプログラムを植えつけることに成功した。

 バラク・オバマ大統領が2日、ソニーハッキングの背後勢力として北朝鮮政府と労働党を名指ししたのには、米情報当局が以前から植えつけおいたハッキングプログラムで収集した北朝鮮関連情報が決定的手がかりになったようだ。ニューヨーク・タイムズは「オバマ大統領が『北朝鮮が米国を狙った大量破壊的なサイバー攻撃を行っている』と報復措置まで言及したのは非常に異例的」だとし、「米国がサイバー攻撃と関連して他の国の政府を明示的に非難した前例がなかった」と報じた。

 米国は10年ほど前から外国のコンピュータ網に浸透し、これを監視して破壊できる「ビーコンプログラム」を運用している。しかし、北朝鮮のハッカーたちの動きをくまなく追跡してきた米国が北朝鮮のソニーハッキングについて事前警告や防止ができなかったのは疑問である。北朝鮮は映画インタビューの予告編が公開された昨年6月から強く反発し、報復を予告していたからだ。 ニューヨーク・タイムズは、米国政府がサイバー情報収集手法の露出を懸念し、発言を控えていたものとみられると伝えた。

 これに先たち、昨年11月に北朝鮮に抑留されている米国人の釈放のために電撃訪朝したジェームズ・クラッパー米国家情報局(DNI)局長もキム・ヨンチョル北朝鮮偵察総局長と夕食を共にした際、北朝鮮によるハッキングの脅威には触れなかったと伝えられた。ブライアン・ヘイル国家情報局のスポークスマンは、「クラッパー局長の訪朝は米国人の釈放に焦点があり、他の問題の議論が解放交渉を妨げるのは望んでいなかった」と述べた。

 最近公開された韓国国防白書によると、北朝鮮のハッカーは6000人に達し、人民武力部の直轄機関である偵察総局の指揮を受ける。特に偵察総局傘下121局(電子偵察局サイバー戦担当)は中国で大規模な前哨基地を運用していることが分かった。

チョ・イルジュン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015.01.19 20:35

https://www.hani.co.kr/arti/international/america/674339.html  訳H.J

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