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米CSIS局長「北朝鮮のインターネット網ダウンは“比例的対応”を越えている」

登録:2014-12-26 20:58 修正:2014-12-27 06:14
ジェームズ・ルイス米CSIS局長。写真ワシントン/パク・ヒョン特派員 //ハンギョレ新聞社

北朝鮮事態はソニーハッキング以上のことで
米国のサイバー報復ではない
中国か北が行った可能性
北のサイバー戦能力は中国より下

 米国の代表的サイバー安保専門家であるジェームズ・ルイス(写真)戦略国際問題研究所(CSIS)戦略技術プログラム局長は24日、北朝鮮で最近起きたインターネット網接続中断事態に関連し「米国が行ったものではない」ことを前提にして「これはソニー・ピクチャーズ ハッキングと比較した時、いわゆる“比例的対応”のレベルを越えている」と話した。 ルイス局長は「ソニーハッキングは一企業を対象にしたものである一方、北朝鮮インターネット接続中断は一国のインターネット網全体を対象にしたもの」とし、このように診断した。

 北朝鮮でのインターネット網接続中断の原因はまだ明らかになっていないが、外部勢力の攻撃である場合、北朝鮮に対する過剰対応という解釈が可能だ。 ルイス局長は米国務部で永くサイバー安保を担当してきて、この問題に関する対外交渉家として活動してきた権威ある専門家だ。 ワシントンの戦略国際問題研究所事務室で彼に会った。

‐北朝鮮インターネット網接続中断が米国のサイバー報復だという観測がある。

「そうは思わない。米国ではこのような問題をそれほど速かには決められない。また、既に中国に協力を要請した段階だ」

-それでは誰が行った可能性が最も高いか?

「中国や北朝鮮が行った可能性はある。活動家による犯行も排除しない。 おそらくハリウッドがその背後にあり得る。 推測に過ぎない」

-活動家とはアノニマスの意味か?

「アノニマスは自分たちがしたと言っているが、偽りである場合が多い」

-オバマ大統領は北朝鮮に対して“比例的対応”を明らかにした。どういう水準をいうのか?

「比例的対応は国際法の重要な部分だ。オバマ大統領が話したことは、ソニーが攻撃を受けた以上に大きな被害をもたらしはしないという意味だ。それは追加制裁や外交的制裁、対北朝鮮宣伝活動などを意味することになる」

-サイバー報復も含まれるか?

「おそらくそれは違うだろう。それも可能だが、また別のサイバー報復を誘発して、状況を一層悪化させかねないため魅力的でない」

-仮に北朝鮮のインターネット網接続中断事態が米国のサイバー攻撃の結果ならば、これは比例的対応に該当するか?

「比例的ではない。 一方は一企業のネットワークを遮断したことであり、他方は一国家全体のインターネット網を遮断したのだ。 北朝鮮で発生したことはソニーハッキング以上だ。私が米国によるものではないと考える理由の一つだ」

-ソニーハッキングはデータを削除し、敏感な情報を露出させたのにそれでもそうか?

「そうだ。一企業に対するものと、一国家全体を対象にするものとは大きく違う」

‐北朝鮮のサイバー戦能力はどういうレベルか?

「北朝鮮は今まで何回も韓国を対象にサイバー攻撃を行った。毎回その能力が発展している。おそらく核心社会基盤施設でも攻撃できるはずだ。しかし、世界最高水準ではない。米国、中国、ロシア、英国のレベルにははるかに及ばない」

-一部では北朝鮮が米国がイラン核施設に対して敢行したスタックスネット(Stuxnet)ウイルスを開発できるレベルにあると推測しているが。

「そこまでの水準ではない。過去にサウジアラビア アラムコを攻撃したイランのレベルと見る方が正確だ」

-ハリウッドのメジャー映画会社が『インタビュー』のような映画を作ることについてはどのように考えるか?

「ハリウッドは彼らが莫大な費用を払わずに済む悪党映画を必要としている。 中国・ロシアとは違い、ナチやイスラム テロリスト、北朝鮮を悪党にしても反対する人はあまりいない。 今回まで北朝鮮はハリウッドにとっては“安全な”悪党と見なされてきた。 誰しもこのような映画製作が良いものではないことを知っている。 しかし北朝鮮はそれに過剰対応した」

ワシントン/パク・ヒョン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/america/670936.html 韓国語原文入力:2014/12/26 19:33
訳J.S(1859字)

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