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中国4大国有銀行の不良債権、昨年末対比で22%急増

登録:2014-10-31 23:42 修正:2014-11-01 08:04
リスクは中小企業から大企業、西側内陸地域まで拡散
中国4大国有銀行のロゴ。 //ハンギョレ新聞社

 中国の主要国有銀行の不良債権が最近急増したことが明らかになり、中国の4大国有銀行である中国銀行、工商銀行、建設銀行および農業銀行の保有する不良債権が9月末現在で総額4150億中国元(約7.4兆円)に達したと31日『ウォールストリートジャーナル』が伝えた。 これは昨年末に比べて22%、6月末より8%増えた数値だ。 建設銀行の不良債権は3分期に前分期対比で10%も増加した。 農業銀行の不良債権は6月末974.7億中国元から9月末の1034億中国元へ、僅か3か月で約60億中国元が増えた。 これに伴い、これら4大銀行の資産に不良債権が占める比率は昨年末の平均1.03%から1.14%に上がった。

 ウォールストリートジャーナルはまだ4大銀行の資産対比不良債権比率はそれほど高くはないものの、継続して増えているうえに、昨年貸出金利の下限を廃止してから銀行間競争がますます熾烈になり利潤率が下がり続けている点に注目する必要があると分析した。 前分期の工商銀行の純益増加率は、前年同期比7.7%、農業銀行は6%だったが、これは数年前に2桁を記録したことと較べれば大きく鈍化した数値だ。

 前3分期の中国の成長率が2008年金融危機以来最低の7.3%を記録するなど、経済が下降局面に入り込んでおり、2008年以後に財政拡大による活況期に金を借りた多くの企業が償還に困難をきたしている。 石炭・鉄鋼・紡織産業、不動産などの多くの部門で過剰投資問題が累積していて、特に長江と珠江デルタの製造業で問題が深刻だ。

『ロイター通信』は中国交通銀行の報告書を引用して、不良債権リスクがますます中小企業から大企業へ、そして東南部の一部地域から西側内陸地域まで拡散する傾向だとし、これは成長が鈍化している中国経済を脅かしていると警告した。 JPモルガンのアジア金融リサーチ責任者ジョシュ・クラチェク氏は「このまま行けば中国産業のサプライチェーンが動揺し、内需に更に大きな負担になるだろう」と憂慮した。ロイターは、このような憂慮が中国の主要銀行の前3分期売上と株価が大きく下がったこととも関係があるのではと分析した。中国の国有銀行は既に悪性負債の増加、中国成長の不安感、持分売却展望などにより世界の大型銀行の中で株価収益比率(PER)が最低水準だ。

パク・ヨンニュル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/662379.html 韓国語原文入力:2014/10/31 17:28
訳J.S(1149字)

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