ファン・ソギョン作家が第14回国際ベルリン文学祭が開かれたベルリン祝祭公演の家で、13日(現地時間)と14日にかけて二回の朗読会を行った。 国際ベルリン文学祭は“文学界のベルリン映画祭”とも呼ばれる。 文学を通じてそれぞれ異なる文化が交流し、政治的討論が行われる場であり、政治色も強い。
ファン・ソギョン作家は13日に「江南(カンナム)スタイルで隠蔽された不信の社会」というエッセイを、14日には小説『懐かしの庭』を朗読した。 彼はセウォル号事件に対する作家の見解を表現した部分だけをドイツ語で抜粋し、翻訳紹介されたエッセイ「江南スタイルで…」で韓国を‘腐敗の温床’と規定した。 彼は「与党側はセウォル号事件を交通事故だと言い張っている。 だが、事故と事件は別の問題だ。 交通事故が起きれば1次的には事故だが、ひき逃げは事件だ。セウォル号事件で救えたはずの子供たちを24時間を傍観して救助しなかった。 救助作業も民間業者に下請けしていた」と説明した。 ファン・ソギョン作家はまた「韓国は鉄道、水道、病院を民営化すると言っており、不安だらけだ。 最も不安なのは故障が頻発している老朽化した原子炉」であるとして、「結局、公共性は民主主義の問題」と指摘した。
朗読会の司会はファン・ソギョン作家と15年に及び親密な縁を維持してきたハンス・クリストファー・ブーフ作家が引き受けた。 彼は90年代をルワンダで過ごし、戦争体験を書いたことがある。 ブーフ作家は「ファン・ソギョン作家の文学はとても悲しく見えるが、その一方で実は楽観的だ。ファン・ソギョン作家も前向きでユーモアあふれる人だ」と聴衆に紹介した。 彼は続けて『韓氏年代記』の一部を引用して、ファン・ソギョン作家の作品は“忘却に対する抵抗”が核心だと論評した。 ドイツ文学がインスピレーションを与えたのかという質問に、ファン・ソギョン作家は「高校時代からヨーロッパ文学をたくさん読んだ。 ドイツ文学はハインリヒ・ベル、ギュンター・グラスなど戦後ドイツ現代作家の作品を読んだ。 古典はその後成長してから読んだ。 ヨーロッパの先輩作家たちに多くの影響を受けた」と答えた。 ドイツの出版市場にはすでに『懐かしの庭』と『韓氏年代記』がテテパウ出版社から出ている。 来年にはドイツで『パリ公主』、『沈清(シムチョン)』が出版される予定だ。
今年の祝祭の中心テーマは“信頼の文化”、“コンピュータと文学”、“紛争地域の文学”等だ。 10日から20日まで11日間開かれる今回の文学祭には世界53か国の作家182人が参加し、330以上の朗読会と討論会が開かれる。 韓国からはファン・ソギョン作家の他に子供、青少年部門に『ママのお迎え』のイラストレーターであるキム・ドンソン作家が参加した。 キム作家の作品朗読会は、ドイツの小学校1~3年生たちを対象にスクリーンを通じて絵を見せ、子供たちの質問に作家が答える形式で進行された。 キム・ドンソン作家は「絵の方が話よりより多くのものを語れて、見る人により意味が変わりうる」と絵の魅力について説明した。