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[インタビュー] 慧門僧侶「銅造如来立像はただちに対馬に返還されねば」

登録:2014-08-23 10:41 修正:2014-08-24 11:06
慧門僧侶 カン・ジェフン先任記者 khan@hani.co.kr

 

 略奪された韓国の文化財の返還運動を先導してきた慧門(ヘムン)僧侶(「文化財取り戻し」代表)が、韓国の窃盗犯らが2012年に対馬から盗んできた統一新羅・高麗時代の仏像(別名、対馬仏像)を日本に返さなくてはならないと主張している。今月12日、ソウル鍾路区(チョンノグ)にある文化財取り戻しの事務所で慧門僧侶に会い、その理由を尋ねた。

 慧門僧侶は「略奪したという証拠がない韓国の文化財を勝手に持ってきてはいけない」と語り、「私たちの文化財だったからといって、盗むのは文化財探しではなく、単なる非文明的な行動だ」と批判した。慧門僧侶は文化財庁を相手に盗んできた仏像を日本に返すための行政訴訟を起こしたが、先月の原審で「原告の資格がない」との理由で棄却された後、控訴している。

‐対馬の仏像二点をめぐる問題をどう解決すべきか?

「盗んできた仏像は日本に返さなくてはならない。対馬の仏像問題は略奪文化財を取り戻す観点からではなく、刑事事件として扱わなくてはならない。刑事法は窃盗犯を捕まえれば盗んだ物件は主人に返すとある。それを民族感情で解決しようとすれば、問題がさらにこじれてしまう」

‐対馬の観音寺から持ってきた観世音菩薩像はもともと忠清南道(チュンチョンナムド)瑞山(ソサン)にある浮石寺(プソクサ)にあった仏像と確認され、海神神社の銅造如来立像はもともと誰の所有だったのか確認できていない。

「そのため裁判所が観音寺の観世音菩薩像について(仏像移転を禁止せよとの浮石寺側の)仮処分申請を受け入れたのだが、そうはならない。本当に倭寇が略奪したのか十分に検討しなくてはならない。政府が刑事訴訟法の執行を先延ばしているため、韓日関係をかえって悪化させている」

‐なぜ韓国政府が銅造如来立像の返還を先延ばししていると考えるのか?

「存在するかも不確かな国民感情を憂慮しているようだが、私が見る限り、単に無能な行政であるにすぎない。2014年に最高裁で窃盗犯一味の有罪が確定した。であるなら外交部が今年中に決断をして、仏像を日本に返さなくてはならない。それが良心と常識に見合う行政というものだ」

‐日本の社会の反応はどうか?

「韓国政府が仏像の返還を先延ばしし、無理強いをしている状況が続いている。日本の右翼たちは内心、韓国政府のこうした態度を歓迎している。彼らは韓国が未開で感情的で法治主義も守れないと蔑みたい者たちだ。泥棒が盗んだ物を韓国政府が自分の物だと言い張っていると、韓国を蔑む格好の素材として活用している。略奪文化財返還運動をしている私が前面に出て、対馬の仏像を返そうと言うのだから日本の右翼たちは面をくらっている」

‐日本は私たちから略奪した文化財を返さないでいる。なぜ私たちのほうから積極的に返さなくてはならないのか?

「相手が悪いからといって同じ対応をするのは文明人のとる態度ではない。真実・正義・良心の原則下で私たちから先に模範を示さねばならない。私たちは昔から日本に教える先生の国だった。仏の教えを伝えたのも私たちだ。日本に道徳がなにかを知らせるのも私たちから先にしなくてはならない」

‐残る略奪文化財の返還のためにも対馬の仏像を今後のカードとしてとっておく必要はないか?

「そんな協議戦略で文化財を取り戻せたケースはない。これからもそんな戦略は文化財返還の助けにならない。先だって米国のオバマ大統領が大韓帝国国璽を返還したのも、私たちが真心をこめ説得してきたからだ」

‐観音寺側はなんと言っているのか?

「数か月前に観音寺を訪ねた。韓国の政治家と市民団体が一方的に訪ねてきて抗議したことがあったという。観音寺の住職は、被害者は自分たちなのに抗議を受けて驚いたと言っていた」

ホ・ジェヒョン記者 catalunia@hani.co.kr

韓国語原文入力:2014.08.22 19:36

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/652396.html

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