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雨のように降り注いだ“鋼鉄の矢”

登録:2014-07-22 16:30 修正:2014-07-23 07:21
鋼鉄の矢。写真パレスチナ人権センター提供

イスラエル、反人権的兵器を使用
民間人は眼中にない無差別空襲
パレスチナ死亡者500人を超える

 長さ3.75センチの錐のような鋼鉄の矢が空から雨のように激しく降った。パレスチナ ガザ地区カンユニスの東にあるクジャア村の女性ナフラ・カリル・ナジャル(37)は、イスラエルの砲撃後、胸に鋼鉄の矢が当たり血を流した。 20日(現地時間)<ガーディアン>は、イスラエル軍が反人権的兵器として非難を受けている“矢弾’”6基で、17日クジャア村を砲撃したというパレスチナ人権センター(PCHR)の主張を伝えた。“矢弾”は通常戦車から撃つが、空中で爆発し1発当たり数千本の鋼鉄の矢を雨のようにまき散らす。大量殺傷用兵器だ。この団体は、現場で鋼鉄の矢を回収して公開した。

 イスラエル国防部報道官はこれと関連して「国際法上合法な兵器だけを使用している」として“矢弾”を使用していることを否定しなかった。イスラエルの最高裁判所はこの兵器が不法ではないと規定している。イスラエルの人権団体ブチェレムは「国際人権法がこの兵器自体は禁止していないとはいえ、人権法の他の規定を考慮すれば、ガザでの使用は違法な部分がある」と指摘した。この兵器は民間人の密集地域で使用すれば、無辜の女性・子供などを無差別に殺害する結果をもたらすからだ。しかし、イスラエルは2001~2002年にも、パレスチナのガザ地区で“矢弾”を使用して10代の少年・少女など罪のない民間人を少なくとも9人殺害した。

 民間人を考慮しないイスラエルの無差別空襲や地上戦は、19日深夜0時頃から20日まで続いた“シャジャイヤ攻撃”で頂点に達した。パレスチナ人死亡者は19日の集計では340人余りだったが、19日の夜と20日を経て雪だるま式に増え、21日午前現在で508人まで増えた。特にシャジャイヤ地域のみで70人以上が死亡した。負傷者も3000人を超えた。ラファでは戦車が民家を砲撃して子供4人と9ヵ月の赤ん坊を含めて10人が皆殺しにされるなど、民間人の被害が相次いだ。<アルジャジーラ>はイスラエル軍が21日、ガザの中心部デイル・アル=バラフ地域にある、アル・アクサ病院を戦車で砲撃して少なくとも5人を死亡させたと伝えた。

 一方、イスラエル側の死亡者は20人で、そのうち民間人は2人だけだ。イスラエル軍報道官は「シャジャイヤはハマスのロケット発射の根拠地で、今回の攻撃はハマスの軍事トンネルを破壊するためのものだ」と主張した。しかし、地下にトンネルがあるとしても、地上には民間人が密集している市街地だ。“大虐殺”に近いシャジャイヤの惨状は20日午後になって明らかになった。アラブの赤新月社(アラブの赤十字社)が遺体と負傷者の搬出を要請し、一時間ほど交戦の中断がなされたためだ。無残に崩壊した残骸の中から、ひっきりなしに遺体と負傷者が運び出された。

 国連安全保障理事会は20日、ガザ地区事態と関連した緊急会議を開いて休戦を論議したが、これといった突破口を見つけることはできなかった。 同日の会議を要請したヨルダンは、ガザ地区の民間人犠牲者の急増を憂慮し、イスラエル地上軍の撤収など休戦を促す決議案の採択を望んだが、案件自体が話し合われなかった。

チョン・セラ記者 seraj@hani.co.kr 写真 パレスチナ人権センター

https://www.hani.co.kr/arti/international/arabafrica/647878.html 韓国語原文入力:2014/07/22 02:10
訳A.K(1529字)

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