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ピンポン外交は昔話…米-中、アジアの覇権を巡り‘言葉の爆弾でピンポン’

登録:2014-06-02 23:27 修正:2014-06-03 15:03
‘アジア安保会議’内外で
非外交的言辞を動員して正面非難
安倍 日本総理も米国に加勢
チャック・ヘーゲル米国国防長官と王冠中 中国人民解放軍副総参謀長が5月31日、シンガポールで開かれたシャングリラ対話に参加し会談している。

アジアで圧倒的優位を見せた米国と
勢力拡大を狙う中国の予想された衝突
「情勢を不安定にする国」「覇権主義者」

 米国-日本と中国が国際外交舞台ではめったに見られない粗野で直接的な言葉で互いを非難し‘言葉の戦争’を行った。 1日シンガポールで幕を下ろした第13次アジア安保会議(シャングリラ対話)は、東アジアの既存覇権を守ろうとする米国と、国力に見合う影響力を確保しようとする挑戦者 中国の葛藤をそのまま表わした。

 チャック・ヘーゲル 米国国防長官は先月31日の演説で「中国は最近数か月間、南中国海で自己の主張を前面に出して安定を脅かし一方的な行動をしてきた」として「我々は領土紛争では一方の肩を持たないが、威嚇と強圧、自己の主張を押しつけるために武力示威を行う国家にはきっぱりと反対する」と話した。 最近、中国がベトナムと隣接した南中国海で原油ボーリングを強行し、自国防空識別区域に進入した日本の偵察機に30mの距離まで接近して警告した事件などを非難したものだ。 前日には安倍晋三 日本総理が演説に立ち、「現状を変化させようとする動きは強く非難されざるをえない。 今は平穏な海を取り戻すために知恵を注ぐ時だ」と語気を強めた。 やはり中国を狙った発言だった。

王冠中 中国人民解放軍副総参謀長が1日(月)シンガポールで発言している。

 中国はすぐに正面から受けて立った。 王冠中 中国人民解放軍副総参謀長は1日「ヘーゲル長官と安倍総理の演説は、互いに申し合わせたように前後して互いに競うように中国を刺激した」と話した。 彼はヘーゲル長官の演説に対して「覇権主義的色彩が濃厚な演説」と主張した。 安倍総理の演説に対しても「中国に向かって‘含沙射影(砂を抱いて影を撃つ。こっそりと攻撃・誹謗する意)している」と直接的に批判した。 副参謀総長は「南中国海に対する中国の主権は、紀元前200年の漢の時代から2000年を越える歴史的起源を有している。 1970年代以後、ここに大量の原油が埋蔵されているという事実が知られ、これまで何の異議も提起しなかった周辺国が問題を提起して出てきた」と主張した。 シャングリラ対話を主管した英国国際戦略問題研究所(IISS)は「今年は中国側の発言強度が異例の強さだった」と評価した。

 米・日と中国の衝突は予想されたことだった。 米国は4月のバラク・オバマ大統領とヘーゲル長官の東アジア訪問を通じて日本、フィリピンなどとの同盟を強調し、中国に強力な牽制球を飛ばした。 米国はアジア・太平洋地域27ヶ国国防長官らが参加したシャングリラ対話で、米国の中国牽制意志と能力を強調して同盟国を安心させようとしたと解釈される。 これに対して中国は長官級の伝蛍 全国人民代表大会外事委員会主任を団長とする高位級代表団を派遣して、中国の断固たる立場を強調して対抗した。

 米国言論は今回のシャングリラ対話が東アジアで圧倒的な優位を示してきた米国の地位が挑戦を受けていることを示したと憂慮した。 <ウォールストリートジャーナル>は「一層高まった中国の発言強度は、アジアで米国の力が弱まっているという中国の認識を表わしたもの」とし「中国は少なくとも米国と同等な勢力として待遇を受けなければならないと判断している」と伝えた。 <ニューヨークタイムズ>は「米国が中国を牽制して、アジアで影響力を維持しようとしているが、アジアが勢力争いの場に変わっている」として、アジアで米国の影響力が脅威を受けていると診断した。

 だが、東南アジア国家の中国に対する警戒感が一層高まった側面もある。 匿名を要求したベトナムとインドネシアの参席者は<BBC>放送に「過度に強硬な中国側の話より安倍の言葉の方が説得力があった。 中国が他国の態度を考慮しないならば、より一層孤立するだろう」と話した。

北京・ワシントン・東京/ソン・ヨンチョル、パク・ヒョン、キル・ユンヒョン特派員 sychee@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/international/china/640379.html 韓国語原文入力:2014/06/02 22:32
訳J.S(1782字)

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