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米、民航機に 「中国防空区域を守りなさい」 東アジア領空・領海葛藤‘局面転換’

登録:2013-12-01 23:29 修正:2014-09-05 19:55
防空区域‘国際的機能’認めたもよう
中国、建国以来 初の公式領域拡大

東アジアの空と海の秩序変化が現実化されている。

 去る23日、中国が東アジア上空に宣言した防空識別区域と関連して、米国が自国民間航空会社に関連手続きに応じろとの指針を下した。 中国の措置以後の緊張高揚1週間ぶりにこの措置を部分的に認める‘妥協’局面に入り込んだわけだ。 これは中国が1949年に建国して以来、東アジアの空と海で自国領域の初の公式拡大でもある。 激しく反発した日本と韓国の対応が注目される。

 米国国務部は29日(現地時間)発表した声明で「米国政府は国際的に運航する米国航空機が外国によって提起された‘管制人材に対する通知' に応じて運航することを期待する」と明らかにして、中国の防空識別区域で米国民間航空機が関連手続きを遵守しろとの指針を下した。 しかし声明は 「米国航空機が‘管制人材に対する通知' を遵守して運航するという我々の期待は、新たに宣言された防空識別区域での運航に対する中国の要求を米国政府が受け入れるという意ではない」と強調した。

 米国の官吏たちは去る27日から民間航空会社と対話を始め、政治的意味合いとは関係なく既存の国際航空規律に則りこの指針を定めたと説明した。 米国の今回の措置は民間航空機に限定されたもので、軍用機は該当しないと官吏たちが明らかにした。 実際、スティーブ ウォーレン米国防総省スポークスマンは29日 「我々は中国が防空識別区域に入れた区域を含め太平洋全地域の国際協約を日常的に通過して飛行している」として 「平常どおり作戦を継続することを確認する」と明らかにした。 米国の官吏たちは中国の一方的な防空識別区域を拒否するという点を明確にしているものの、民間航空機に対する今回の指針はこの地域で中国との意志争いで譲歩と解釈されうると<ニューヨーク タイムズ>が指摘した。

 国際民間航空秩序を管理している米国が、自国の民航機に中国防空識別区域指針遵守を下したことにより、中国防空識別区域は事実上国際的に機能するものと見られる。 すでに中国の宣言以後、シンガポール航空が中国の要求に従っており、米国のデルタとアメリカン航空が中国に飛行計画を提出してきたと明らかにした。

 中国は宣言後1週間で部分的成果を上げたと評価される。 日本と領有権紛争を行っている尖閣諸島(中国名 釣魚島)一帯上空などで国際的にも一部認められる権利を勝ち取ったわけだ。 これは中国建国以後、米国が非公式的に設定した対中封鎖網に対抗して、この地域で初めて国際的に認められうる自国領域の拡大を成し遂げる端緒を作ったと見ることができる。 香港の<亞洲週刊>は、中国の防空識別区域は米国の対中封鎖網である第1列島線(日本~沖縄~台湾)出海口突破に関心を持ったものであり、第1列島線を越えるには必ず通過しなければならない宮古海峡を日本の妨害を受けずに順調に航海しようとすることだと解説した。 <亞洲週刊>は消息筋の話を引用して、中国がかなり以前からこの計画を培ってきたし、去る8月に習近平国家主席が最終的に決めたと報道した。

 米国の今回の措置は昨年日本の尖閣諸島国有化措置以後に激化したこの地域の領有権紛争で、中国との対決を緩和しようとする意図と解説される。 特にジョー・バイデン米国副大統領の今週の中国訪問を控えて妥協点を先に出したものと見られる。 中国の日本問題専門家である周永生は1日<明報>に 「この問題で米国は日本との同盟関係より中国との関係改善に一層の重きを置いている」として「日本が非常に苦しい状況に処することになるだろう」と話した。

 韓国は中国に対抗して防空識別区域拡大方針と共に、中国が自国に対する経済的包囲だと批判する環太平洋経済パートナー協定(TPP)交渉参加を電撃的に明らかにした。 中国牽制用と見えるTPP交渉参加について、米国側が既存12参加国の交渉が終えられた後にでも可能だと明らかにし、韓国は困惑する境遇に置かれた。

チョン・ウイギル先任記者、北京/ソン・ヨンチョル特派員 Egil@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/international/asiapacific/613495.html 韓国語原文入力:2013/12/01 22:01
訳J.S(1860字)

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