米国の情報機関である国家安保局(NSA)は、韓国大統領の電話通話内容も不法盗聴をしていたのだろうか?
米 国家安保局がアンゲラ・メルケル ドイツ総理の携帯電話はもちろん全世界35ヶ国の首脳の通信手段を盗聴していたことが明らかになり、韓国大統領もその対象に含まれた可能性が提起されている。
英国<ガーディアン>は24日(現地時間)エドワード・スノーデン前米国中央情報局(CIA)要員が提供した国家安保局機密文書に基づいて、国家安保局が35ヶ国首脳の通信手段を盗聴したと暴露した。
2006年10月に作成されたこの文書は「国家安保局信号情報部(SID)は時には行政府官僚の連絡先データベースに対する接近権を持つ」として「ここには外国の政治・軍事指導者の直通電話・ファックス・居住地・携帯電話番号などが含まれうる」と明らかにした。 この文書は続けて「例えば最近あるアメリカ官吏が35ヶ国の指導者を含む200ヶの電話番号を提供した」と言及した。 国家安保局はこの文書で「まだこの電話番号で報告するに足る情報はほとんど生産できていない」としつつも、他の電話番号を確認する成果をあげたと明らかにした。
この文書にはどこの国の首脳が盗聴目録に入っているかは指摘されておらず、韓国大統領が含まれているか否かは確認されていない。 しかし<ガーディアン>が6月末に暴露した機密文書に、ワシントン・ニューヨークにある38ヶ国の外国公館に対する国家安保局の盗聴目録に駐米韓国大使館が含まれていた事実などを考慮すれば、韓国大統領も対象になった可能性がある。 特に2006年には、韓-米自由貿易協定(FTA)交渉と戦時作戦統制権転換、北韓1次核実験などいつにも増して両国間に敏感な懸案が多かったし、両国首脳間の異見も大きく米国の‘情報需要’が多かったものと見られる。
国家安保局の外国首脳盗聴行為は、最近まで続いていたと見られる。 カーニー米国ホワイトハウス スポークスマンは24日、定例ブリーフィングでドイツ総理に対する盗聴関連質問に答えて、「我々は大統領の指示の下に我が国の安保憂慮と同盟国のプライバシー憂慮の間でバランスを取る方式を検討している」と明らかにした。 これはドイツの問題提起により既存の慣行を変えるということであり、このような盗聴行為が最近まで続いていたことを示唆するものだ。
ワシントン/パク・ヒョン特派員 hyun21@hani.co.kr
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ヨーロッパ‘総理盗聴’後暴風…対米FTA遅延・国連決議の兆し
"容認できない" "非常に深刻" 批判 高まる
フランス、首脳会議で情報保護強化を提案
外交官たち、NSA制動決議案 推進
米 "最高位級外交チャンネルで対話中"
米国国家安保局(NSA)の外国首脳に対する盗聴行為が暴露され、バラク・オバマ米国行政府が荒々しい後暴風にまきこまれている。 ヨーロッパの指導者たちがいっせいに米国を猛非難して出て、米-ヨーロッパ外交関係に損傷が避けられないものと見られる。
アンゲラ・メルケル ドイツ総理は24日(現地時間)ブリュッセルで開かれたヨーロッパ連合(EU)首脳会議に先立ち取材陣に会い 「友達同士は盗み聴きをしない。 そんなことはあってはならない」として、二日連続で背信感を表出した。 彼女は「同盟国の間には信頼がなければならない。 そういう信頼は今から新たに構築されなければならない」と付け加えた。
他のヨーロッパ指導者たちもこれに加勢した。 フレデリック ラインフェルト スウェーデン総理は「同盟国の指導者を盗聴するということは、とうてい容認できないこと」と話し、マルク ルィテ オランダ総理も「報道が事実ならば非常に深刻なこと」と話した。 エンリコ レタ イタリア総理は「このような行為が受け入れられるとは想像できない」と話した。 ヨーロッパ連合執行委員長であるホセ バローゾは旧東ドイツの秘密警察であるシュタージの事例まで挙論して 「我々は全体主義が何を意味するのかを知っている。 国家が個人の人生を侵害する形で権力を行使する時、何が起きるのかよく知っている」と指摘した。
ヨーロッパ指導者たちのこのような反応は、国家安保局盗聴行為が初めて暴露された去る6~7月よりその強度が非常に高いものだった。 当時も米国に説明を要求しはしたが、このように露骨な発言をすることはなかった。 当時は同盟国間にも情報機関の秘密情報収集は慣行という雰囲気が強かったが、今回は度をかなり越したという認識が広がっている。
これに伴い、米国とヨーロッパ連合間で進行している自由貿易協定(FTA)交渉が遅滞することがありうるという観測まで出ている。 マーティン・シュルツ ヨーロッパ議会議長は、米国に対するヨーロッパの信頼が弱まったということは、自由貿易協定交渉が猶予されることを意味すると話した。 彼は「交渉をしに行くのに、相手方が我々の言おうとする内容を全て知っていると感じるならば、互いに信頼することができようか」と指摘した。
フランスは今回の首脳会議でヨーロッパ連合の個人情報保護規定を厳格にしようと提案した。 これは米国の巨大インターネット企業らが個人情報を保存するためには事前に顧客の同意を得るようにするという意で、既存事業モデルに支障を招くことになる。
ドイツとブラジルを中心にした一部の外交官たちは24日ニューヨークで会い、米国家安保局の盗聴行為を制御するための措置で国連決議案を推進中だと米国<フォーリンポリシー>が伝えた。 この集まりに一部のヨーロッパと中南米の国家が参加した。 これらは現在、国連‘市民的・政治的権利に関する国際規約’第17条(私生活に対する介入禁止)の適用範囲を、インターネット上の私生活保護に拡大する内容の草案を準備中だ。 国家安保局による盗聴行為が暴露された以後、主要国が具体的な対応方案の準備に乗り出したのはこれが初めてだ。
カーニー米国ホワイトハウス スポークスマンは、ドイツ総理盗聴事件について具体的内容を明らかにできないと返事を拒否し、 「最高位級次元の外交チャンネルで直接対話している」と話した。
ワシントン/パク・ヒョン特派員 hyun21@hani.co.kr