米国の一人の社会学者が去る29日(現地時間)朴正熙前大統領暗殺事件と5・16クーデターに関連した米国中央情報局(CIA)のすべての文書を公開せよとの情報公開強制履行請求訴訟を米国連邦裁判所に出した。
ジョージ カチアピカス(写真)ウェントワース工科大学人文社会学部教授は30日「米国情報自由化法(FOIA)に基づいて、中央情報局が保管している両事件の関連記録物一切を直ちに検索し、そのコピー全部を公開するよう命令してほしいという訴訟を米国連邦裁判所マサチューセッツ州地方法院に出した」と<ハンギョレ>に明らかにした。 訴訟代理人は米国の進歩的人権・公益団体である‘全国法律家組合’(National Lawyers Guild)所属のニール バーマン弁護士が引き受けた。
これに先立って2010年3月、カチアピカス教授は米中央情報局に‘朴正熙当時陸軍少将の5・16クーデター’(1961年)と‘キム・ジェギュ前中央情報部長の朴正熙暗殺’(1979年)と関連した情報報告と外交電文など記録文書一切を公開せよと公式請求した。 カチアピカス教授は2001~2002年に全南(チョンナム)大5・18研究所交換教授を務めた韓国民衆運動史専門研究者だ。
米情報自由化法によれば、すべての政府記録物は最長25年以内に秘密分類を解除し公開しなければならず、秘密文書維持のためには別途の審査を経なければならない。 また、情報公開請求があれば20日以内に記録物公開を含む公式回答をしなければならない。
しかし米中央情報局は初めての公開請求後1年が過ぎた2011年3月に5・16クーデターに関する29ぺーじ分の‘最終回答’を送ってきた。 ところが、ほとんどの内容がすでにマスコミ報道などに公開されたものだったことに加え、情報公開除外(Exemption)規定を意のままに適用して、主要人物の名前と対話内容など核心部分を消したつぎはぎ文書だった。 米中央情報局が直接作成した文書は全く得られなかった。 朴正熙前大統領暗殺事件と関連した10ページの‘最終回答’が出てきたのは、それから更に16ヶ月が過ぎた2012年7月であったが、不十分なことは同様だった。
カチアピカス教授が今回情報公開の強制履行を要請した文書は、5・16クーデター当時に朴正熙と駐韓米8軍情報顧問ジェームズ ハウスマンをはじめとする米国政府高位官僚の会合、駐韓米国大使館が本国とやりとりした関連電文、朴正熙暗殺当時に米国高位官僚らと朴正熙、キム・ジェギュとの接触記録 及び対話内容など事件当時の韓国の情況と米国の態度が分かる情報を包含したものだ。
ニール バーマン弁護士は「中央情報局が2011年と2012年に出した返事は情報公開請求の本質を回避したもの」としつつ「請求された情報を公開するのは朴正熙(前大統領)の娘が大統領になった韓国と米国の関係に対する両国大衆の理解を高めるためにも重要だ」と指摘した。
ボストン/文・写真 チョ・イルジュン記者 iljun@hani.co.kr