[企画]単独入手‘2011性売買被害女性の精神健康実態および支援方案’報告書覗いて見ると… 10人中7人が自殺を試み、暴力・薬品服用経験が多い(1428字)
□ハ・オヨン
←火災で亡くなった性売買被害女性の路祭場面。死は常に彼女らのそばを離れない。‘性売買被害女性 精神健康実態報告書’を見れば、自殺を試みた経験がある女性が10人中7人だ。<ハンギョレ>キム・テヒョン記者
<ハンギョレ21>が単独入手した‘2011性売買被害女性の精神健康実態および支援方案’(韓国女性人権振興院編集)を見れば、現在の性売買被害女性たちの傷をより深く覗き見ることができる。 調査対象は全国性売買被害者支援施設入所者405人だ。
半分以上が児童虐待の経験
彼女たちは病的に‘不安’と‘憂鬱’を感じている。人に会うことに対して深刻に‘敏感’であり‘敵対的’だ。 被害女性自ら「専門家の相談および診療が必要だ」と答える比率が半分を越える。 10のうち6が治療を望んでいる。 だが、積極的には出ない。彼女たちの70%以上が学習化された無気力症状を示す。‘してはいけない’という意識が注入され、一人の人間を支配するケースだ。彼女たちの精神的困難を赤裸々に見せる指標は薬品服用経験だ。 半分を超える数が睡眠剤(55%)と神経安定剤(59%)を服用した経験がある。 麻薬類や幻覚剤、覚醒剤などを服用したケースも21.5%に達した。 喫煙率は70%で、一般女性と比較してみれば20倍以上高い。
精神的問題の根源は児童期にまで遡る。幼い時期に虐待を経験した彼女たちが215人で半分を越える。この内、性的虐待経験比率が10%に達する。‘2010年全国児童虐待現況報告書’の一般的な児童虐待経験者比率(4.7%)の二倍を越える数値だ。 身体虐待、情緒虐待、性虐待などの中で2以上の虐待を受けたことを意味する重複虐待の経験率も半分(54%)を越え、一般経験者比率(42%)より12%高い。 一般的な児童虐待は情緒的虐待(35%)が最も多いが、性売買被害女性調査では身体的虐待(41%)が最も多いという事実も特徴的だ。
性暴行を経験した入所者が159人だ。性売買従事期間中に暴力被害にあった経験は80.45%に達する。 障害者として登録された入所者が36人(11.5%)に達するという事実は特別な注目を要する。 特に身体的障害は7人に過ぎず、残りは知的障害などの精神障害だ。 報告書では障害特性にともなう政府支援が必要だと明らかにしている。
彼女たちにとって人生とはどんな意味を持つのであろうか。 生きることが生きることではない状況が数値であらわれている。自殺衝動は10人中8人に近い数が経験した(77%)。そしてそれに劣らない数(71%)が実際に自殺を試みた。数字は彼女たちの人生が事実上、死と相対しているということを傍証する。報告書は「本調査回答者の自殺試み比率は非常に深刻だ」と明らかにしている。
彼女たちが性売買せざるを得なかった理由は何だろうか。生活費を用意するために性売買をするという比率が64%だ。
ハ・オヨン記者 haha@hani.co.kr
原文: http://h21.hani.co.kr/arti/society/society_general/30942.html 訳J.S