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危機サイレン鳴るも逃げ場なし…北朝鮮、再度衛星打ち上げの可能性(2)

登録:2023-06-03 05:24 修正:2023-06-03 09:10
5月31日午前、全羅北道群山市沃島面の於青島の西約200キロの海上で、海軍が北朝鮮の打ち上げた宇宙ロケットと推定される物体を引き上げている=合同参謀本部提供//ハンギョレ新聞社

(1の続き)

宇宙ロケット打ち上げも北朝鮮が行えば違法

 北朝鮮は2009年3月5日、「月その他の天体を含む宇宙空間の探査及び利用における国家活動を律する原則に関する条約(宇宙条約)」に加入。同年3月10日には「宇宙空間に打ち上げられた物体の登録に関する条約(宇宙物体登録条約)」にも加入した。北朝鮮国家宇宙開発局のパク・キョンス副局長は、2023年3月6日の「朝鮮中央通信」とのインタビューで「宇宙条約はあらゆる国が月やその他の天体を含む宇宙を差別なく平等に利用することについての原則、宇宙を平和的目的で研究および利用することについての原則、宇宙の開発と利用における国際的協力を強化することについての原則をはじめ、国際宇宙法の基本諸原則を規範化している。宇宙活動に関する専門分野の国際条約である宇宙物体登録条約は、宇宙に打ち上げた物体の登録に関する諸問題を規制している」とし「我が国は宇宙条約の当事国、宇宙物体登録条約の当事国として、宇宙の探査と利用の分野で主権国家の権利を堂々と行使できるようになっており、我々の宇宙活動は国際法的に担保されている」と述べた。キム・ヨジョン副部長が6月1日の声明で「誰であろうとも衛星打ち上げに対する我々の主権的権利を否定できない」と主張したのも、このような脈絡によるものだ。

 解釈の余地が全くないわけではないが、キム副部長の主張は現行の国際法体制に概して符合しない。国連憲章第25条は「国際連合加盟国は、安全保障理事会の決定をこの憲章に従って受諾し且つ履行することに同意する」と規定している。また第103条は「国際連合加盟国のこの憲章に基く義務と他のいずれかの国際協定に基く義務とが抵触するときは、この憲章に基く義務が優先する」と規定している。安保理決議は国際協定に優先するという意味だ。国連安保理は2006年7月15日の決議第1695号で、初めて北朝鮮に「弾道ミサイル計画に関連するすべての活動の停止」を要求した。さらに同年10月14日の決議第1718号では、北朝鮮の「弾道ミサイル計画に関連するすべての活動の停止」を決定し、兵器類やぜいたく品などの北朝鮮への禁輸措置を骨子とする制裁を発動した。これこそ、ICBMをはじめとする各種の弾道ミサイルはもちろん、宇宙ロケットの打ち上げも北朝鮮が行えば国際法的に「違法」となる理由だ。

2022年に初めて北朝鮮制裁決議案が否決

 問題は、安保理が事実上、本来の機能を失っていることだ。安保理は2022年5月26日、北朝鮮に対する原油や精製油の供給量を従来より各々25%削減することを骨子とする北朝鮮制裁決議案を米国主導で表決に付したが、中国とロシアが拒否権を行使したため否決された。安保理において表決で北朝鮮制裁決議案が否決されたのは、この時が初めて。この時、中国の張軍国連大使は「朝米対話の結果として北朝鮮が取った肯定的で先制的な措置に米国が応じなかったことが、今のような情勢へとつながった」と主張している。そして「朝鮮半島の緊張が高まる中、中国はすべての当事国に冷静を保ち、緊張と誤った判断を招きうる行動を控えるよう求めてきた」、「安保理は肯定的で建設的な役割を果たすべきであり、状況が統制不能状態に陥らないようにすべきだ」と強調した。その後、北朝鮮は様々な弾道ミサイルの発射を行ったが、安保理は法的拘束力のない議長声明すら一度も出せていない。

 今回も状況は同じだ。韓米日は声を一つにして「安保理決議違反であり、明白な挑発かつ威嚇だ。応分の代価を支払うことになるだろう」と強く批判したが、中国の雰囲気は全く異なっていた。中国外務省の毛寧報道官は5月31日の定例ブリーフィングで「朝鮮半島情勢が今のような状況に至った脈絡は明らかであり、中国の望む姿でもない。状況悪化を防ぐ唯一の道は、関係当事国が朝鮮半島平和体制の不在に起因する問題点を直視するとともに、『双軌並進』の精神に則って意味ある対話を再開し、各自の合理的な憂慮をバランスよく解決することのみ」だと述べた。危機のサイレンは鳴るが、逃げ場はない。

チョン・インファン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://h21.hani.co.kr/arti/world/world_general/53939.html韓国語原文入力:2023-06-01 22:03
訳D.K

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