原文入力:2011/12/04 20:10(1449字)
チョン・ウンジュ記者
米USTR代表と共同委 構成
FTA履行監督・修正権限に
準拠法などすべての法規解釈権も
牽制手段さえない状態
外交通商部通商交渉本部は政府組織法上、対外交渉を担当する機関だが、韓-米自由貿易協定(FTA)が発効されれば強大な権力機関として君臨することになる。キム・ジョンフン通商交渉本部長とロン カーク米国貿易代表部(USTR)代表が共同委員会を構成するが、この委員会では△協定の履行を監督し△協定を修正し△協定を解釈することができるためだ。行政・立法・司法の全般にわたって強大な権限を行使することになるわけだ。 だが、委員会の決定をわが政府は公開しない方針だ。 委員会を牽制する手段さえない状態だ。
通商当局の権限乱用は韓-米自由貿易協定交渉過程から行われていた。我が国の憲法第59条は‘租税の種目と税率は法律で定める’と規定しており、租税体系を直す権限を国会に付与しているが、通商当局は交渉の際にわが方の自動車関連税制を米国側の要求どおりに変更すると約束した。国会外交通商統一委員会は韓-米協定検討報告書で「政府は租税の変更が自身の権限でないことを米国側に明らかにし拒否しなければならないにも関わらず、税制改編を約束し権限を乱用したという批判を免れない」と指摘した。
また別の事例は去る6月韓-米協定文ハングル本で296件の大量翻訳誤りを出しても正誤表を公開しないことだ。韓-ヨーロッパ連合(EU)自由貿易協定の場合とは異なり、韓-米協定の正誤表を非公開にして通商当局はその理由を米国政府が誤り訂正を検証しながら‘外交文書’に分類したためと明らかにした。だが、裁判所は去る2日、民主社会のための弁護士会が出した情報公開請求訴訟で「翻訳誤り内訳を具体的に整理した正誤表を公開せよ」と判決した。
韓-米協定が発効されれば両国通商公務員が構成する共同委員会が準拠法と協定規定、付属書などすべての法規に関する解釈権限まで持つ。特に投資家が相手国国家を相手に損害賠償を要求し仲裁を請求して仲裁判定部が構成されれば、共同委員会の解釈や決定が仲裁判定部に対して拘束力を持つ。換言すれば仲裁判定部が下す判定は共同委員会の決定と衝突してはならないという話だ。通商法専門家のソン・キホ弁護士は「投資家-国家訴訟制(ISD)が両国行政府の解釈に従うように規定されており、韓-米協定は三権分立の原則を傷つける」と指摘した。
通商当局は更に一歩踏み出して、我が国の裁判所も共同委員会の解釈を尊重すると見通している。韓-米協定締結過程などに対する専門性が充分でなく、裁判所が共同委員会が解釈する根拠と判断を相当程度尊重するというのが通商当局の判断だ。これは‘裁判官は法と良心に従って独立して審判する’という憲法第103条とは相当な距離がある。反面、米国では韓-米協定が法的効力を持つことができず、また、韓-米協定を根拠に個人が米国裁判所に訴訟を提起できないよう米国の履行法が規定している。 米国裁判所は共同委員会の協定文解釈を尊重する必要がないという話だ。 チョン・ウンジュ記者 ejung@hani.co.kr
原文: 訳J.S