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余裕満々サムスン「アップルとの訴訟で損する必要ない」

https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/494333.html原文入力:2011/08/31 20:50(1499字)
キム・ジェソプ記者

ヨーロッパ裁判所判決「肯定的」評価…認知度上昇効果「おまけ」
部品単価引き下げも不可能…「先に手を差し出す理由ない」

「私たちが先に手を差し出しはしない」

8月24日(現地時間)、オランダ・ハーグ地方裁判所が、サムスン電子がデザイン特許を侵害したというアップルの主張を棄却して以後、サムスン電子内部では最後まで訴訟戦を引っ張っていくという雰囲気がかえって力を増している。業界ではオランダ裁判所の判決でアップルとの特許訴訟で事実上「勝機」を捉えたとの評価が出てきており、サムスン電子が先に和解のそぶりを示しはしないという話だ。 31日、サムスン電子関係者たちの話を総合すると、内部では「ゆったりと対応しよう」という方へ対応態勢が変わっている。サムスン電子関係者は「ドイツと オランダの裁判所で、相次いでわが方に有利な決定が下されるにつれ、内部の雰囲気が次第に変わった」と伝えた。これまで、サムスン電子内部では急いで「出口探し」に出るのが得だとの意見が優勢だった。訴訟を起こされた裁判所19ヶ所中ただ1ヶ所でも不利な決定が下される場合、会社イメージが失墜するのに加 え、たとえ勝つにしても、半導体と液晶画面分野で最大顧客であるアップルの立場を無視できないという理由からだ。

サムスン電子内部の雰囲気が強硬モード側に移ったのは、アップルと特許訴訟して、むしろ「ノイズマーケティング」効果をたっぷりと享受しているためだ。アップルがサムスン電子を最大の競争者と認識して牽制に出たという認識が、業界と消費者らの間に早 く広がっていき、米国とヨーロッパを中心にGalaxy SとGalaxy Tabの認知度が大幅に向上したというのがサムスン電子の判断だ。

アップルの態度について、特許を武器に競争相手を困難に陥れるという否定的認識が広がっているのも、サムスン電子にとっては悪くない状況だ。アメリカ・マサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボの創立者として有名なニコラス・ネグロポンテ エール大学教授も最近「競争と技術発展に役に立たない」としてアップルの態度を批判した。アップルがサムスン電子を相手に始めた特許紛争があたかも「アッ プル 対 情報技術(IT)業界全体」に広がるわけだ。サムスン電子関係者は「すでに私たちが勝機を捉えて攻撃する番なのに、あえて手を差し出してアップルの特許侵 害主張に屈服する姿を示すわけがない」と話した。

事業部別に徹底した独立採算制を実施しているサムスン電子内部の組織構造も、中途半端な和解を不可能にさせるまた別の要因だ。アップルがサムスン電子を相 手に訴訟に出たのは、低価格iPhoneで新興市場攻略に打って出るために、最大の部品供給業者であるサムスン電子に単価引き下げを要求して拒絶されたの も、重要な理由になったと分かっている。万一、サムスン電子が先に和解に出ようとするなら、アップルの部品単価引き下げ要求を聞き入れなければならないのに、この場合、収益性悪化と成果給削減を甘受せねばならない半導体と液晶画面(LCD)事業部から強い反発が出るのは間違いない。サムスン電子関係者は 「半導体とLCD事業部の役員が『私たちがなぜ携帯電話事業のために給与を削減されなければならないのか』と反発するのではないか」と話した。

キム・ジェ ソプ記者 jskim@hani.co.kr
原文: 訳 M.S