原文入力:2011/07/08 11:44(3260字)
クォン・オソン記者
ロッテ CS流通を取得した後‘ハーモニーマート’の名前で路地商圏に進出
事業主 自律加盟店なので流通法の規制を受けない
←ソウル、江西区、禾谷洞(ファゴクトン)の中小スーパー Hマートのすぐそばに開店した企業型スーパー(SSM) ‘ハーモニーマート’の姿
6日、ソウル、江西区、禾谷洞のとある路地、小規模スーパー ハンビッマート前で企業型スーパー‘ハーモニーマート’が営業を行っている。わずか5mも離れていない場所に開店した企業型マートに対抗してハンビッマートはありったけの力をふりしぼっている。ハンビッマートの主人イ・ヨンソプ(38)氏は「ハーモニーマートの開店で周辺に5店ある中小マートが全て枯死する危険に直面した」と話した。
ロッテスーパーが企業引き受け方式を通じて路地商圏への進出を企て第2の変種企業型スーパー(SSM)という批判が起きている。
ハーモニーマートは中堅流通業社であるCS流通のスーパーマーケット加盟店だ。ロッテは先月初め、CS流通の吸収方針を明らかにし公正取引委員会に企業結合審査を申請した。審査を通過すればロッテの企業型スーパーが迂回的に中小商人らの路地商圏に席を占める道が開かれるわけだ。
問題はCS流通のハーモニーマートが事業主自律の加盟店形態なので中小商人保護のために昨年通過した流通産業発展法(流通法)と大・中小企業共生協力促進法(共生法)改正案の規制を受けないという点だ。 ‘流通・共生法’は大企業が直営しているか持分が51%以上のスーパーに対して調整対象としている。
←目の前に開店した企業型スーパー(SSM)によって価格を大幅に下げ競争を行っているHマート売り場の価格表
しかし加盟店は売り場の事業主が主人であるため現行法上 規制の対象にならない。 売り場の形態や物品購買などの面では企業型スーパーと何ら違うところがないが、こういう業者が目の前に開店しても中小商人は対応できない状況が起きるわけだ。
ロッテスーパーは先月3日、CS流通の引き受け契約を締結し公正取引委員会に企業結合審査を申請した。 これは初めての企業型スーパー(SSM)業者の結合事例であり、早ければ8月頃に審査結果が出る展望だ。 ロッテがCS流通の引き受けに成功すれば、210店余りの店舗を追加確保することになる。総店舗数は503店で、2位のホームプラス エクスプレス(248個)より2倍以上多くなる。
ロッテは共生法改正後にも中小規模地域商圏進出を継続してきた。ロッテはホームプラスとともに共生法改正後に持分を少なくしたり加盟費だけを受け取り商品を供給するなどの方法で拡張を試み‘変種SSM’ではないかという批判を受けている。
今回も加盟店形態で路地商圏に進出した後、ロッテの売り場に変わるのではないかという憂慮も出てきている。 ハンビッマートのイ氏は「ハーモニーマートとの競争でどうにか持ちこたえられたとしても、結局はロッテの売り場に変わるのではないかという憂慮が周辺商人の間に生まれている」と話した。 韓国スーパーマーケット協同組合連合会関係者は「既に持っている売り場ならば財閥系列会社のスーパーに変わるとしても敷居が低くならざるをえないので鋭意注視している」と話した。
これに対してロッテ側は「過度な心配」という立場だ。ロッテスーパー関係者は「ハーモニーマートなどCS流通の売り場は既存の商号と方式のまま運営する」としながら「大企業が取得したからといって既存の競争関係などに及ぼす影響はないだろう」と話した。 ‘加盟店は便法の企業型スーパーではないか’という質問に「加盟店は100%加盟主の店であり、ロッテは物品供給、メンバーシップ サービスなどを提供し1~3%のロイヤリティーを受け取るだけなので商人と企業が互いにウィンウィンする構造」と話した。
クォン・オソン記者ツイッター@5thsage
←中小スーパー主人キム・コンス(59)氏が店の直ぐ前に開店した企業型スーパー‘ハーモニーマート’を眺めている。
ハンビッマート奮闘期
“4年間で一日しか休まず守ってきたが”
イ・ヨンソプ(38)氏はラーメン ボックスを運ぶ手を止め ため息をついた。企業型スーパーマーケット(SSM) ‘ハーモニーマート’がイ氏のハンビッマートの目と鼻の先に開店したのは先月10日だった。わずか5歩も歩けば十分だ。 6日、店で会ったイ氏は「寝ていてもむくっと起きる」と話した。
イ氏のマートは江西区、禾谷洞の住宅街の路地に位置している。大通りから100mほど内側に位置しており、周辺にはアパート団地もない。ハーモニーマートができる前は周辺に5つの小さなマートが住民たちに生活必需品などを供給し競争してきた。「そのど真ん中に企業型スーパーが開店したのです。こういう商圏で大型マートは中小スーパーを追い出す決意でなければ営業できません。」
イ氏と両親は無言の戦争に立ち上がった。‘無期限破格セール’横断幕を掲げ出血競争を行った。アイスクリーム70%割引、タマゴ1枚(30個)3500ウォンなど中間利潤(マージン)なしで売った。「序盤にお客さんを奪われれば死ぬという覚悟で持ちこたえています。」それにもかかわらず、最近一ヶ月間の売り上げは昨年同期に比べ30%ほど減ったという。
一家族が企業型スーパーを相手に戦うのは手に余るのが現実だ。イ氏は「私たちは少しでも安い物を探して毎日歩き回るが、大企業は‘望む価格に応じなければ売り場から物を抜く’と脅しをかけて物を仕入れる」として「それで競争できるか」と訴えた。ロッテのような財閥企業の場合、系列会社を通じて直接製造する工場生産品分野も多い。
家族の苦痛は大きかった。イ氏は「1ヶ月間、お父さんは体重が4~5kg減り、お母さんは夜も眠れない」と話した。 お母さんのキム・コンス(59)氏は「すぐそばの大型マートで買い物をしたお客さんが‘このスーパーは閉店するのか’と尋ねればガックリする」と話した。 家族3人は4年以上 マートを営んできたが、祖母の葬儀で休んだ一日を除けばただの一度も休まなかったという。そのようにして作ってきた暮らしの場所の息の根が危機に瀕したわけだ。
それでも‘常連’と周辺の人々の支持がHマートが持ちこたえる力になっている。 この日、店で会ったお客さんイム・スンヒ(44)氏は「消費者は安いものが良いとは言っても、あのような形でスーパーを出すことは人の生きる道ではないようだ」と話した。 イ氏は「町内の子供たちも通りがかりに‘おじさん、この頃大変ですね’と言い応援してくれる」と話した。 苦しい事情のためにハンビッマートに損をしながらもタマゴを供給しているという中間業者 チェ・チャンヨル(45)氏は「持てる人間が持たざる人を捕まえているようだ」と話した。
一方、ロッテだけでなく、5月には新世界(イーマート)もイーランドの‘キムスクラブ’を取得しロッテ-ホームプラスの企業型スーパー(SSM)戦争に参入し流通恐竜らの三巴戦はさらに激しくなる展望だ。
イ・ドンジュ流通商人連合会政策室長は「反発が強いからと大企業が加盟店形態で企業型スーパーを出す便法であり、事実上 中小商人の生計を脅かしているが、それに対する補完策が必要だ」と話した。イ室長はまた「このような形で中小商人が皆死ねば寡占企業等の価格決定を牽制できず消費者にも被害が及ぶことが憂慮される」と指摘した。
クォン・オソン記者ツイッター@5thsage
原文: https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/486460.html 訳J.S