原文入力:2011/07/04 21:48(1412字)
キム・ギョンナク記者
金融委、85ヶ所 実態調査 着手
貯蓄銀行 不良処理費用
預金保険・KEMCOで 25兆 造成に
監督失敗で構造調整の時期逃す
結局 国民・金融圏の負担になる公算
金融会社の貪欲と金融政策の失敗で惹起された不良貯蓄銀行の構造調整費用が天文学的に増えている。金融当局は貯蓄銀行の構造調整にかかる費用が公的資金を含めて20兆ウォンを軽く越えると見ている。すでに投入された資金を加えれば35兆ウォン内外に及ぶ。この費用は結局、国民と金融圏が抱え込まなければならない。
金融委員会は4日‘下半期 貯蓄銀行 経営健全化方案’を発表し、この日から9月初めまでに300人余りの検査班を構成し貯蓄銀行85ヶ所に対する大々的な経営診断に入ると明らかにした。経営診断の結果、国際決済銀行(BIS)基準 自己資本比率が1%未満で資産より借金の多い貯蓄銀行には営業停止措置を下す予定だ。
カギは貯蓄銀行構造調整のために必要な資金の規模だ。政府はすでに20兆ウォンほどを投じたが、この間に整理された不良貯蓄銀行は10行内外に過ぎない。大規模に追加不良が明らかになれば、再び数十兆ウォンの資金投入が避けられない展望だ。
金融委は今後、20兆ウォン以上の資金を作る方針だ。まず預金保険基金の‘貯蓄銀行共同アカウント’を大幅拡充する。共同アカウント資金は去る3月に15兆ウォンが造成されたが、すでに釜山貯蓄銀行系列の構造調整などに使い、余った資金は6兆~7兆ウォンだけだ。金融委関係者は 「15兆ウォンの資金をさらに用意する方案を検討中」と話した。これだけで21兆~22兆ウォンの資金を作るわけだ。
加えて貯蓄銀行プロジェクトファイナンシング(PF)不良与信の買い入れのためにケムコ構造調整基金の残額3兆5000億ウォンが動員される。 ケムコは2008年から不良プロジェクトファイナンシング貸出の買い入れに4回にわたり6兆ウォンを投じ、半分程度を公的資金の構造調整基金から調達した。金融当局はまた、自己資本比率5%を越える正常貯蓄銀行の資本拡充用途で公的資金である‘金融安定基金’を別に作ることにした。
これらが全て公的資金ではない。主に金融圏の出資と債権発行を通じて調達され公的資金はその一部に過ぎない。しかし、実際には政府が乗り出し作る資金なので、事実上は公的資金と同じだ。政策失敗による不良を埋めるために国会の同意なしで公的資金を作り投じる格好だ。
政府が不良をきちんとえぐり取れるかも未知数だ。貯蓄銀行の不良に対し適時に処方を下さず取り繕い策に汲々とした結果、不良を拡大した当事者が政府であるためだ。金融監督院関係者も「隠された不良がどれくらいあるのか予想はできない」と話した。キム・サンジョ漢城大教授は「2008年の金融危機直後に十分な公的資金を作り構造調整に着手しなかったせいで、国民が抱え込む負担だけが増えた。監督政策の失敗で貯蓄銀行の不良を惹起した金融当局が不良整理過程でもタイミングを逃したもよう」と話した。
キム・ギョンナク記者 sp96@hani.co.kr
原文: 訳J.S