原文入力:2011-05-05午後10:27:03(2086字)
韓国 "GDP 10年間で5.6%↑" -EU "韓国、0.84%↑"
7月に発効すれば関税率の高い韓国が損をする可能性が高い
チョン・ウンジュ記者
←民主労働党と進歩新党議員が去る4日夜、国会本会議場でパク・ヒテ国会議長が韓・ヨーロッパ連合(EU)自由貿易協定(FTA)批准同意案に対する討論を一方的に終結しようとするや抗議している。 パク・ジョンシク記者 anaki＠hani.co.kr
韓-EU FTA 誰に有利か
韓-ヨーロッパ連合(EU)自由貿易協定(FTA)批准同意案が去る4日、国会を通過したことにより7月1日の暫定発効とともに韓国とヨーロッパの市場がガラリと開かれることになる。だが、自由貿易協定で享受することになる恩恵を巡り両国の展望が大きく交錯しており韓-ヨーロッパ連合協定が持たらす経済的効果が果たしてどんなものか気がかりになっている。
■政府、"GDP 5.6%成長"
我が国主要国策研究機関は韓-ヨーロッパ連合自由貿易協定が発効されれば、韓国経済の国内総生産(GDP)が10年間で5.6%成長すると展望した。関税がなくなり製品価格が下がり所得が増え320億ドル(約34兆4000億・GDP対比3.8%)の厚生効果が生じるということだ。サービス業を中心に25万3000ヶの働き口が創出されるという展望も出した。
特に世界市場の30%(16兆4000億ドル)を占めるヨーロッパ市場が我々に大きく開かれる場合、貿易収支黒字額が15年間で年平均3億6100万ドル(約3900億ウォン)ずつ拡大すると政府は強調する。15年間の貿易黒字だけで5兆8000億ウォン増えるという話だ。昨年韓国の対ヨーロッパ連合輸出額は535億ドル(約57兆5000億ウォン),輸入額は387億ドル(約41兆6000億ウォン)で、我が国が148億ドル(約15兆9000億ウォン)の貿易黒字を記録した。
この他に租税研究院は‘韓-ヨーロッパ連合自由貿易協定税収入報告’で関税撤廃に伴い10年間で年平均税収入 1兆7000億ウォンが減るが、国民総生産の増加で租税収入は3兆9000億ウォン増加すると予想した。
■ヨーロッパ連合、"対韓国赤字抜け出すだろう"
韓国のバラ色展望に対する反論はヨーロッパ連合側から出た。ヨーロッパ連合執行委員会が発表した‘韓-ヨーロッパ連合自由貿易協定の経済的効果分析’報告書によれば、韓-ヨーロッパ連合協定にともなう国内総生産(GDP)増加は、韓国の場合 15年間に0.84%、ヨーロッパ連合は0.08%と予測されている。特に15年間でヨーロッパ連合の対韓国輸出額が330億～410億ユーロ(約52兆～65兆ウォン),輸入額が229億～344億ユーロ(約36兆～53兆ウォン)増加する結果、66億8000万～100億8000万ユーロ(約11兆～16兆ウォン)の貿易黒字を達成できるとし、慢性的な対韓貿易赤字からも抜け出すだろうと期待した。国際交易の特性上、一国の黒字幅が増えれば相手方の貿易収支はそれだけ悪くなるにも関わらず、両者ともに黒字が増加すると展望したのだ。
そのため、わが政府が韓-ヨーロッパ連合自由貿易協定の経済的効果を過度に膨らませているという指摘が出ている。通商専門市民社会団体である国際通商研究所は最近「経済分析の結果、韓国の実質国内総生産増加率は10年間で0.1～0.18%にとどまり年間税収入だけで1兆6617億～1兆6670億ウォン減少するだろう」と発表した。
■韓国市場のかんぬきが先に開かれる
実際に政府が主張することとは異なり、韓-ヨーロッパ連合自由貿易協定の発効により我が国がこうむる被害が大きい可能性が高い。何よりも両者の平均関税率差が核心だ。韓国の農産物平均関税率は48.6%である反面、ヨーロッパ連合は13.5%に留まる。水産物も韓国は16.0%、ヨーロッパ連合は11.8%で差異があり、工産品なども韓国の関税率(6.6%)がヨーロッパ連合(4.0%)側より高い。無関税輸出が始まれば関税率の高い国がより大きな損害を被る他はない。
政府はまた、工産品品目の中でヨーロッパ連合側の即刻撤廃比重は97.3%である反面、韓国は90.7%であり自由貿易協定が我が国に有利だと主張している。だが、現在の関税率がすでに0%である品目を除けば(韓国1498品目、ヨーロッパ連合2073品目)結果は正反対に変わる。韓国の即時撤廃比重は74.8%(7037品目),ヨーロッパ連合は69.3%(5128品目)と集計される。韓国市場がさらに多くさらにはやく開放されるということだ。
チョン・ウンジュ記者 ejung＠hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/476610.html 訳J.S
