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韓-米FTAも‘でたらめ翻訳’多数

原文入力:2011-03-04午前10:08:51(1702字)
再審→検討手続き、誤認→ミス、医薬品→製品
ハングル-英文本 同等効力…通商紛争 招く恐れも

チョン・ウンジュ記者

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国会本会議の議決を控えている韓-米自由貿易協定(FTA)批准同意案のハングル本にも韓-ヨーロッパ連合(EU)協定文と同様の深刻な翻訳誤りが多いことが明らかになった。こういう状態で協定文が発効される場合、紛争にまきこまれる素地が大きく、特に対外条約に対する批准を国会が同意すれば、協定文は国内法として効力を持つだけに関連した国内の他法令との衝突が憂慮される。
韓-ヨーロッパ連合協定文の翻訳誤りを初めて提起したソン・キホ弁護士は3日「韓-米協定文ハングル本に政府は同一英語単語の‘independent review’をある所では‘独立的な検討手続き’とし、他の所では‘独立した再審’と翻訳した」とし「国内法解釈慣行では政府の決定を覆しうる行政審判の性格である再審と、権限が曖昧な検討とは全く違う意味で適用する」と指摘した。

また、協定文の第18.8条 特許分野で英単語‘inequitable conduct’を‘不公正行為’と翻訳したのも‘信義誠実の原則に反する行為’に正さなければなければならないと専門家たちは指摘する。ナム・ヒソプ弁理士は「これは米国特許法で使う特殊概念で、特許出願人が既存技術や最善の発明形態を隠す行為を意味し、公正取引法とは全く関係のない法律用語」と説明した。代表的な毒素条項に挙げられる医薬品許可-特許連係条項(第18.9条第5項)では‘医薬品’を‘製品’と翻訳する誤りも発見された。

明白なタイプミスも随所で見つかった。付属書Ⅲ金融サービスに対する大韓民国留保目録には‘第13.2条(自主規制機構)’とされているが、これは‘第13.2兆(内国民待遇)’の誤った表記だ。自主規制機構は13.12条だ。国際法専門家のイ・ジョンフン明智大教授(法学)は「韓-米自由貿易協定ではハングル本と英文本が同等なので、協定文の翻訳内容が違えばそれ自体で紛争にまきこまれかねない」として「政府が不正確な翻訳でハングル本協定文の価値を失墜させた」と批判した。

知的財産権分野では非専門家が翻訳した部分が眼につく。特に我が国の知的財産権法は対外条約が国内法より優先するという例外を設けており、法的概念と意味が明確でなければ法適用当事者らに大きな混乱を招くことになる。代表的な事例が18.2条 地理的表示を含む商標分野第8項に出てくる‘ミスを引き起こしたり’という表現だ。ナム弁理士は「‘cause mistake’の‘mistake’をミスと直訳したが、これは‘誤認’としてこそ正しい」と話した。例えば高麗人参が入っていない飲み物に‘高麗人参ジュース’という商標を使う場合、消費者に高麗人参で作ったジュースと‘誤認’させるという意だ。ところが、これを消費者の‘ミス’を引き起こすと解釈してしまえば、法の適用範囲が全く変わってしまうというのがナム弁理士の説明だ。

キム・ジョンフン通商交渉本部長はこの日、国会外交通商統一委員会全体会議で 「協定文は(当事国間に)衝突が起きないように韓国語の意味上 不都合な部分があってもできるだけ原文(英語本)に忠実に直訳することが避けられない」と話した。しかし、ソン弁護士は 「協定が発効されれば国内法として効力を持つのはハングル本協定文」とし「翻訳誤りだらけで国民が解釈することもできないため深刻な問題」と指摘した。

パク・ジュソン民主党議員は「昨年4月、国会外交通商委で強行処理した既存批准同意案を政府は撤回し、再協議内容と翻訳誤りを正した新しい批准案を出さなければならない」と注文した。

チョン・ウンジュ記者 ejung@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/466283.html 訳J.S