原文入力:2010-11-18午前10:26:42(2443字)
‘ベンチャー博士’アン・チョルスの成功論
大企業 不公正取引慣行、中堅企業の芽を摘む行為
短期利益に執着させる株主資本主義 再考が必要
←アン・チョルス カイスト客員教授
アン・チョルス(カイスト客員教授)は正しい人だ。
彼は元々正しい創業家だった。コンピュータ ウイルス ワクチンという、世の中になかった製品を作る‘アン・チョルス研究所’というベンチャー企業を作り成功させた。便法を使わずとも成功が可能だという神話を示した。真のベンチャー企業1世代だった。
その後、彼は正しい評論家だった。経営現場を離れ、カイスト客員教授として活動しながら、便法なしで成功することが難しい国、大韓民国に対する鋭い批判を続けてきた。そして我々の時代の倫理のマスコットに浮上した。
ところが最近、彼が再び創業家の目で世の中を見始めた。ソーシャル ゲームを作るベンチャー‘ノリタウン’の産婆の役割を引き受けた。難しい環境だが、ただ座り込んでいるだけではない創業家たちと行動を共にするという意志を示したのだ。そして再び創業家の成功方法に関し口を開いた。
‘2010アジア未来フォーラム’特講として進行する‘アン・チョルスの成功論’を前もって聞いてみた。
企業の失敗を10分の1に減らす方法
アン・チョルス教授は韓国の浅薄な企業環境から話を始めた。
"韓国で企業が失敗する最も重要な原因はやはり環境です。大学は人材供給を怠け、金融圏はリスクを企業に全て負わせ、中核技術以外の業務をアウトソーシングしようとしても信じて任せられる所がなく、政府は必要な研究開発をしません。結局ベンチャー企業がそれらの負担を全て抱え込まなければなりません。当然、成功は難しいです。"
アン・チョルス教授は大企業と中小企業の間の不公正取り引き慣行に対する鋭い批判も惜しまなかった。「30年間に創業して1兆ウォン以上の売上をあげた企業は事実上、NHNと熊津の2ヶ所だけです。不公正取引慣行は中堅企業の芽を摘み、韓国経済の腰を脆弱にさせています。"
だが、これら全ての問題が解決される時までベンチャー創業と企業活動を止めて待ってばかりではいれらない。難しい環境の中でも何か方法はあるのではないだろうか? 企業家がうまくできていない点はないだろうか?
"もちろん企業家自身の問題もあります。難しい環境を勘案して創業しなければならず、十分な実力を整えて活動しなければなりません。韓国的環境でも失敗の確率を減らせるいくつかの方法があります。3点だけ守っても失敗確率を10分の1に減らすことができます。"
良い人、良い製品、漸進的実行
アン教授は3点を提示する。 最初に、良い人だ。一人で創業せず2~4人が一緒にしなさい。そして互いに違う性格と技術を持った人々が一緒にしなさい。ただし、価値観だけは同じ人どうしが集まりなさい。
次は良い製品だ。自身が作れる製品を作らず、市場と消費者が願う製品を作りなさい。技術者が創業する時、これを成し遂げるのが容易ではない。
最後は漸進的実行だ。初めから多くの人材と資金を投じて、一気に勝負をかけようとするな。まず一歩踏み出して、また後戻りをしてみて、そして1人補充して再び一歩出てみることを繰り返しなさい。これが厳しい環境で冒険的な企業活動をしながらも失敗の確率を減らす道だ。
それでも大企業と中小企業間の不公正取引慣行が変わらなければ、問題解決は難しい。共生をそのように叫んでいるのに、なぜ変化が起きないのだろうか?
“中小企業と大企業の共生問題は、核心は大企業が中小企業と共に仕事をするチームの人事評価基準にあります。その人の考課が短期間収益の極大化に合わされていれば、いくら大統領が共生を叫び、総帥がお金を出しても駄目です。人事制度に焦点を合わせて考えなければなりません。人々の業務習慣を変えることが重要です。スローガンを叫び、決済を早くしてくれるからと言って根本的に変わるものはありません。理工系奨学金を与えるように短期処方です。理工系を生かすために奨学金を与えることより、もっと重要なことは社会的インセンティブ システムを変えることではないですか? 奨学金を与えたからと言って理工系忌避は消えません。”
米国式 株主資本主義、反省する時
ところで大企業の立場でも株主の圧迫のために協力業者に寛容になることは難しいのではないか? そうだから人事制度を変えることも難しい。
“大企業が環境と社会まで考慮した持続可能経営をすることは、だから重要です。長期的には協力業者と共生することが株主にとっても利益になるでしょう。特に韓国は考える暇もなく無批判的に米国式株主資本主義体制を受け入れたが、短期的株主利益だけを考慮して経営することが私たちに合っているのか、もう一度 社会全体が反省をしてみる時になりました。‘多様な利害関係者を共に考慮した経営’という代案もあるからです。”
企業の美しさは、自らを革新し環境に適応することができるという点にある。そして結果的に、その革新を押し進め、環境を変えることすらできるという点にあります。30年間、絡まるばかりだった糸の絡み合いを、企業家が先頭に立って解き始めることができるだろうか? アン・チョルス教授の新しい話が始まった。
アン・チョルス カイスト客員教授は12月15~16日に開かれる‘2010アジア未来フォーラム’で“失敗から学ぶ企業成功の条件”という題名で講演する予定だ。 問い合わせ070-7425-5237, www.asiafutureforum.org
原文: https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/449334.html 訳J.S