原文入力:2010-10-15午前09:14:11(2125字)
9月 生活物価 4.1%↑ 農産物価格は32.7%↑ "物価安定 手離しか"
為替レート下落傾向も戻すことは難しいとし "金利引き上げ また時期を逸する"
チョン・ヒョクチュン記者
韓国銀行金融通貨委員会が年2.25%である基準金利を3ヶ月連続で凍結した。物価安定と為替レート防御カードを巡り、ジレンマに陥った金融通委が物価カードをしまい、為替レート カードを掴んだ。だが、中央銀行の核心目標である物価安定をあきらめ為替レート防御用で金利凍結をしたという批判が提起されている。
韓銀は14日、金融通委を開き「主要国景気と為替レート変動性の拡大が、世界経済の危険要因として作用する恐れがある」とし「基準金利を現行水準で維持する」と明らかにした。キム・チュンス韓銀総裁は記者懇談会で「4分期以後、来年まで我が国物価上昇率予想値が3%を越える状況であり鋭意注視している」としつつも「(為替レートなど)すべての変数を考慮する時‘苦悩に充ちた決定’だった」と話した。
金融通委の金利凍結決定は、金利引き上げ時に国内外金利差が拡大し、これはグローバル流動性の国内流入につながり為替レート下落(ウォン上昇)幅がより大きくなるおそれがあるという点を考慮したものと見られる。また、最近オーストラリアとインドネシア、タイなど新興国中央銀行らが為替レート戦争を側面支援するため、基準金利を凍結したことも影響を及ぼしたと観測される。しかし、金利を凍結しても傾向的に下がる為替レートの方向を逆転させることは難しい展望だ。来月初め、米国連邦準備制度(Fed)連邦公開市場委員会(FOMC)が量的緩和措置を決め、ドルの市中解放が始まれば為替レート下落傾向は続く可能性が高いためだ。
為替レート防御よりさらに至急なのは物価騰勢だ。物価はすでに赤信号がついた。先月の消費者物価指数は昨年同期に比べ3.6%、生活物価指数は4.1% 急騰した。庶民の食卓物価はさらに深刻だ。韓銀資料によれば、農産物価格上昇率は去る8月の12.3%に続き、9月には32.7%まで沸騰した。これに対し、キム総裁は 「今月の農産物価格上昇は気候変化による予想不能なことであり、短期間に終わるものと見られる」とし「現在の物価上昇率が3.6%だが、このような外部衝撃を考慮すれば2.9%にとどまっている」と話した。
キム総裁の発言とは異なり、対外的な側面でも物価圧力はさらに強まる展望だ。9月の輸入物価指数は4ヶ月ぶりに反騰し、昨年同期に比べ7.8%騰がった。輸入物価は通常1,2ヶ月の時差を置いて生産者物価に反映され、生産者物価は2~3ヶ月後に消費者物価に反映される。国際穀物価格も急騰している。昨年同期より小麦は35.4%、とうもろこしは41.5%、豆は10.3%騰がった。国際穀物価格は通常3~6ヶ月の時差を置き影響を及ぼすので、来年初めには物価上昇圧力として作用する可能性が高い。穀物価格が上がれば飼料価格も上がり、肉類価格も連動して上がる。この間おとなしかった国際原油価格も米国の量的緩和政策に対する期待感から最近バレル当たり80ドルを越えた。
家計負債が継続して増えている状況で、長期間続いた低金利基調を正常化しないならば家計バブルをさらに増やすことになるという憂慮も出ている。6月末現在の我が国家計貸出残額は711兆6000億ウォンに達する。ハ・ジュンギョン漢陽大教授(経済学部)は「金利を少しずつ上げ、人々が家計負債を整理することができるよう誘導するべきだが今回もそう出来なかった」とし「今、金利を上げられなければ、いつか大幅に金利を上げるしかないが、そうなるとわが国の経済により大きな衝撃を与えることになる」と話した。
キム総裁は先月「右側方向指示器をつければ右折する」として市場に金利引き上げ信号を与えたが、今回も信号とは違う道に行った形になった。韓銀内外では今回金利を凍結したせいで、来月主要20ヶ国首脳会議と12月年末の変数によって今年中に金利を上げることは容易ではないだろうという観測が出てきている。このためキム総裁の‘失期’論難が再び大きくなっている。先月も金利引き上げをためらい、一ヶ月間 全世界が為替レート戦争に包まれながらどうすることも出来ない状況に追いこまれたためだ。先月にも金融通委は対外不確実性を考慮し政府の8・29不動産対策に歩調を合わせるため金利を凍結し機会をのがしたという批判を受けた。チョン・ソンイン弘益大教授(経済学)は「現政権の政策基調が為替レートを下落させ内需企業と中小企業を生かすよりは、為替レートを上げ輸出企業に補助金を与える方式を好んでいるが、金融通委の今回の金利凍結もやはり、これに沿っているような印象を与える」と指摘した。 チョン・ヒョクチュン記者 june@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/economy/finance/443851.html 訳J.S