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韓国政府、「ナフサ危機」で輸出全面制限…5カ月間内需へ強制振り向け

登録:2026-03-27 08:37 修正:2026-03-27 08:50
全羅南道麗水の石油化学産業団地にある、麗川NCCの工場。麗川NCCはナフサの調達に支障が出ていることを理由に、顧客企業に対し今月初め、供給「不可抗力」を宣言した=イ・ジェホ記者//ハンギョレ新聞社

 中東での武力衝突の影響で石油化学産業の基礎原料であるナフサの価格が2倍近くにまで高騰し、調達に支障が出ていることから、韓国政府は「輸出の全面制限」という超強硬な行政命令を打ち出した。

 産業通商部は、このような内容が盛り込まれた「ナフサ輸出制限および供給安定のための規定」(以下、ナフサ輸出制限規定)を27日に公示した。これにより、国内の石油精製企業の生産するすべてのナフサは、産業部長官が承認する例外を除き、原則として輸出が全面的に禁止され、内需へと強制的に振り向けられる。

 強力な市場統制措置も取られる。政府はナフサ事業者(石油精製企業)とナフサ使用事業者(石油化学企業)からナフサの生産、導入、使用、販売、在庫に関する情報を毎日受け取り、石油精製企業と石油化学企業の週間出荷量が前年に比べて20%以上減少した場合は売り惜しみ目的とみなして販売と在庫の調整を命じることができる。さらに、産業部長官は石油精製企業にナフサの生産を命じることができ、石油精製企業に対して政府の指定する石油化学企業への供給を命じる権限「供給調整措置権」も有する。

 政府がこのように強力な行政命令を打ち出した背景には、国内の石油化学産業のサプライチェーンの構造的なぜい弱さがある。韓国はナフサ需要の45%を輸入に依存しており、それに占める中東の割合が77%に達しているため、直撃を受けている。イラン戦争が勃発する前は1トン当たり633ドルだったナフサは、今月20日に1141ドルにまで高騰。さらにドルが1500ウォンに迫っているうえ、海上運賃が急騰しているため、輸入企業の採算が取れていない。

 ナフサの供給に支障が出ていることで、影響は実体経済全般に広がっている。LG化学は23日から麗水(ヨス)国家産業団地内の2つのナフサ分解工場(NCC)の稼働を停止し、設備調整に入っている。船舶建造時の鉄板切断にエチレンガスを使用する造船業界は在庫不足を訴えている。自動車業界や家電業界も主な外装材である高強度プラスチック素材の調達のために在庫を点検しつつ、サプライチェーンの麻痺に備えている。

 国内生産ナフサに占める輸出の割合は約11%(2025年)。ひとまず輸出を内需に振り向け、ナフサの在庫不足をできるだけ遅らせるというのが政府の計画だ。今回のナフサ輸出制限は5カ月間実施される予定で、命令に違反すると2年以下の懲役または5000万ウォン(約530万円)以下の罰金が科されうると産業部は説明している。キム・ジョングァン産業部長官は「ナフサは産業を支える基礎原料であるだけに、国外からの導入支援などでできる限り多くの量の確保に努める」、「政府は保健医療、重要産業、生活必需品の生産に影響が出ないよう、ナフサを最優先で供給する」と述べた。

イ・ジェホ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/1251355.html韓国語原文入力:2026-03-27 00:00
訳D.K

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