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韓国、グーグルに「高精度地図の持ち出し」を許可…ネイバー、カカオへの打撃は不可避

登録:2026-02-27 20:54 修正:2026-02-28 07:57
グーグルのロゴ//ハンギョレ新聞社

 韓国政府がグーグルの要請に基づく高精度の地図データの国外持ち出しを許可したことで、韓国国内の消費者や空間産業界に与える影響に注目が集まっている。韓国を訪れる観光客が普段慣れ親しんでいるグーグルマップを利用できるようになる一方で、韓国の空間情報事業者への打撃は避けられないとみられる。

 韓国国土交通省など関係省庁で構成される「測量成果の国外搬出に関する協議体」は27日に会合を開き、グーグルの高精度の地図の持ち出しを許可した。グーグルが韓国政府の示した安全保障に関する懸念を解消するための方策を整えたからだ。

 韓国政府がグーグルマップへの持ち出しを許可したことで、今後アップルなどのグローバルマップサービスを運営する企業が韓国国内でも簡単にサービスを提供できるようになると見込まれる。協議体の審議・議決は案件ごとに行われるが、今回グーグルに許可を与えたことで事実上前例が整ったからだ。

 グローバルマップサービスが高度化すれば、韓国を訪れる観光客は慣れ親しんだマップサービスを利用して「ルート検索」などの必須機能を使えるようになる。文化体育観光部によると、昨年韓国を訪れた海外観光客は1870万人以上。グーグルマップサービスは、全世界で20億人の利用者に80以上の言語で提供されている世界トップの地図サービスであるため、観光客の利便性が向上すると期待されている。

 グーグルマップを基盤とした海外の空間情報サービスも本格的に進出できる。これにより、韓国国内で関連の新産業が拡大することが期待される。自動運転などのモビリティ関連事業や、飲食店の予約など空間情報に基づく事業がこれに当たる。グーグル側は今回の持ち出しについて「政府や国内のパートナーと緊密に協力し、韓国の成長を支援できることを期待している」と述べた。ただし、グーグルマップサービスに実際に高精度の地図が適用されるまでには、最低でも6カ月以上かかると見込まれている。グーグルが政府の要請を反映するのに、技術的な時間がかかるためだ。国土交通部空間情報制度課のキム・テヒョン課長は「グーグルが韓国政府の要請を満たすには、約6カ月のエンジニアリング期間が必要と見込んでいる」と述べた。

 グーグルが、地図データ持ち出しの主要な前提条件であった韓国国内サーバーの設置を「国内提携企業のサーバー利用」に回避したことで、韓国の産業界からは逆差別の懸念が出ている。サーバー設置は法人税を課す根拠となる「固定事業所」とみなすことができるが、協議体が従来のサーバー設置要求から一歩退いたことで税金問題を解決したからだ。業界からは、多くのコストがかかる高精度地図を、固定事業所がないという理由で実際の売上よりもはるかに少ない税金しか支払わないグーグルに移転するのは公正でないとの指摘が何度も出ている。実際、グーグルコリアが公表した監査報告書によると、2024年に納付した法人税は172億ウォン(約18億円)で、同年にネイバーが納めた税金3902億ウォンの4.4%に過ぎない。

 韓国国内で地図サービスを運営するネイバーやカカオなどの韓国のプラットフォーム企業や空間情報事業者の打撃は避けられない見込みだ。以前、韓国の学界ではグーグルマップの搬出により、今後10年間で最大197兆ウォン(約21兆円)に達する経済的損失が発生する可能性があるという研究結果も出ている。業界関係者は「韓国国内の空間情報関連産業全体が巨大資本を持つ海外企業に侵食され、産業エコシステムが損なわれ、未来の成長エンジンさえも絶たれる恐れがある」と述べた。

 協議体はこのような懸念を考慮し、韓国政府に対し「空間情報産業育成および支援策」を策定するよう勧告するとともに、グーグルにも「韓国国内の空間情報産業や人工知能(AI)などの関連産業の発展に貢献し、韓国のバランス成長に貢献できる共生策を責任ある姿勢で積極的に検討し実施」するよう勧告した。

チェ・バンソク記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/1246964.html韓国語原文入力:2026-02-27 16:45
訳J.S

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