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世界的なAI疾走の中で規制はペース調整…韓国、「統制」と「振興」のジレンマ

登録:2026-01-06 20:13 修正:2026-01-07 08:16
22日、韓国で世界初のAI基本法施行
生成AI「チャットGPT」に「規制装置は必要だが『ペース』が悩みの種…韓国が初のAI基本法全面施行の中で、EU・米国はペース調整」という指示語を入力して生成したイメージ//ハンギョレ新聞社

 22日、人工知能(AI)産業支援の法的根拠を盛り込んだ「AIの発展と信頼基盤の造成等に関する基本法」(AI基本法)が韓国で施行される。AIに対する包括的な規律が全世界で初めて全面施行される事例だ。韓国政府が企業に対する処罰規定を少なくとも1年以上猶予するなど負担の最小化に重きを置いている中、「規制」と「振興」の間で各国政府の悩みも深まっている。

 AI基本法は、AI技術発展の高度化によって発生する制度的な空白を解消するために2024年12月に制定された。研究・開発(R&D)と学習用データ構築、専門人材確保など産業育成のための支援規定と共に、AIの透明性・安全性の確保の義務、高影響(ハイリスク)のAI判断基準、事業者の責務など「安全装置」を設けるようにする内容だ。

 問題は各国のAI競争が激化する中で、規制が技術開発を萎縮させる恐れがあるという憂慮が表れている点だ。実際、2年前に世界で初めて包括的AI規制法を制定した欧州連合(EU)は、速度調節に乗り出す雰囲気だ。EUは、当初は今年8月に施行予定だった高影響AI規制の導入を2027年末までさらに猶予する案を検討することにした。EUはAIを▽容認できないリスク▽ハイリスク▽制限的リスク▽最小リスクの4段階に区分し、リアルタイムでの生体認識技術や個人の信用・評判に対する点数化システムなどの活用を原則的に禁止している。最大3500万ユーロ(約64億円)、または年間売上の7%に達する課徴金も規定するなど、制裁の水位も高い。

 EUが一歩退いた間に、韓国は1年の猶予期間を経て世界で初めてAI法を全面施行することになった。韓国は「規制の最小化」という政策基調を掲げている。科学技術情報通信部のイ・ジンスAI政策企画局長は先月24日、「AI基本法施行令に向けた説明会」で「韓国が世界で初めてAI『規制』を施行する国にはならないという原則の下、少なくとも1年以上の啓蒙期間を適用する」とし「(啓蒙期間の)延長の可能性を残している」と強調した。

 米国はもともと連邦政府の自主規制の中で州政府が個別規制を推進する構造だった。例えば、カリフォルニア州は生成AIのコンテンツに識別表示を義務付け、2027年1月から年間5億ドル以上の収益を上げるAI企業に安全性報告書の提出を求めるAI安全法(SB53)を施行するなど、積極的な規制行動を見せてきた。しかし先月、ドナルド・トランプ大統領が州政府のAI規制権限を制限する大統領令に署名し、AI規制を巡る議論が続いている。

 一方、米国とAI覇権競争を繰り広げている中国は、規制の手綱を引き締めようとしている。中国当局は先月末、人間の性格を模倣し利用者と相互作用するように設計されたAIサービスに対する監督を強化する規定の草案を公開した。消費者対象のAIサービスが拡散する中で、安全性と倫理基準を制度的に管理・統制する意図と思われる。ただし一部では、最近の中国のAI規制基調の転換について、後発国の追撃をかわすための「はしご外し」戦略だという解釈も出ている。

 韓国人工知能法学会のチェ・ギョンジン会長(嘉泉大学法学教授)は「数年後、AI技術の悪影響が累積して一気に表面化する可能性が高い」として「技術革新を阻害しない範囲で啓蒙期間を置き、民間と政府が共にAIの信頼性基準を模索するための実体的な規制は避けられない」と話した。

ソン・ダムン記者 (お問い合わせ (お問い合わせ japan@hani.co.kr ) )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/it/1238164.html韓国語原文入力:2026-01-05 19:05
訳J.S

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