サムスンとSKグループが米国のオープンAIと提携したのは、米国主導の5千億ドル規模の「スターゲートプロジェクト」に韓国企業が主要な同盟として参加するという象徴的な意味が大きい。グローバル超大型人工知能(AI)インフラ構築事業で韓国の半導体企業がAIメモリーの供給を担当することになり、韓国が「AI 3大強国」への跳躍に一歩踏み出したものとみられる。
オープンAIが1日にSKハイニックス・サムスン電子とメモリー供給意向書(LOI)を締結する際に推算した高帯域幅メモリー(HBM)の供給量は、ウェハー(半導体素材基板)基準で月最大90万枚で、現在の世界での生産力の2倍に達する。製造業大国の韓国とAI技術を先導している米国が手を携えた格好だ。HBMはAIのデータ学習を遂行するAI加速器に入る主要部品だ。
オープンAIのサム・アルトマン最高経営者(CEO)はこの日、李在明(イ・ジェミョン)大統領と面会し、「韓国は優れた技術人材と世界的水準のインフラ、強力な政府支援およびAI環境などでグローバルAIリーダーになるすべての条件を備えている」と述べた。オープンAIは「サムスンとハイニックスはオープンAIの先端AIモデルの駆動に欠かせない先端メモリーチップの生産を拡大する計画」だとし、「DRAMウェハーを月90万枚生産するのが目標」と話した。
SKグループのチェ・テウォン会長もこの日「グローバルAIインフラ構築のためのスターゲートプロジェクトにSKが主要パートナーとして参加することになった」とし、「グループのAI能力をパートナーシップに集中し、グローバルAIインフラの革新と韓国の国家競争力強化に積極的に取り組むつもりだ」と強調した。サムスン電子も「オープンAIが高性能・低電力メモリーを円滑に供給されるよう支援する計画」だと述べた。
サムスンとSKがデータセンターおよびAIサービス分野でもオープンAIと協力することにしたのは、単なる半導体の供給だけでなく、AIのエコシステム構築に参加することになったことを意味する。
SKテレコムは同日、オープンAIと了解覚書(MOU)を交わし、全羅南道地域にAIデータセンターを共に建設することにした。8月にSKグループが米国アマゾンウェブサービス(AWS)とともに蔚山市尾浦(ウルサンシ・ミポ)の国家産業団地内にAIデータセンターを建てるための着工式を行ったのに続き、新しい協力事例を作ったということだ。
サムスングループの系列会社各社も同日、オープンAIと意向書をまとめ、データセンターの開発やAIサービスの提供などを共同で進めることにした。これに伴い、サムスン物産とサムスン重工業はオープンAIと「洋上浮体型(フローティング)データセンター」を共に開発する計画だ。フローティングデータセンターとは、海の上に作る先端データセンターで、慶尚北道浦項(ポハン)地域に建てられるものとみられる。空間の制約が少なく、熱冷却費用や炭素排出量などを低減できるのがメリットに挙げられる。サムスンSDSはデータセンターの設計・構築・運営分野で協力を強化することにした。
ただし、スターゲートプロジェクトに必要な資金調達の規模があまりにも天文学的であるため、プロジェクト参加の実益がどの程度なのか、今すぐ判断するには早いという見通しもある。ロイター通信は最近、オープンAIがAIデータセンターに必要なチップを直接購入するのではなく、リースの形で確保する計画だと報道した。