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SKハイニックス、第4四半期の営業利益8800億円…サムスン電子を抜き首位浮上

登録:2025-01-23 20:14 修正:2025-01-24 07:08
京畿道利川市のSKハイニックス本社/聯合ニュース

 「(技術競争力さえあれば)メモリー企業も(業況と関係なく)安定した利益を創出できる可能性を確認したという点で、今回の実績は大きな意味を持つと思います」(SKハイニックスのキム・ウヒョン最高財務責任者)

 SKハイニックスは昨年第4四半期、危うい業況の中でも史上最高実績の記録を塗り替えた。サムスン電子を抜いて韓国企業の中で第4四半期の営業利益1位も占めた。高帯域幅メモリー(HBM)をはじめとする人工知能(AI)メモリーの競争力が引き出した結果だ。新年にはメモリー業況の両極化が続き、両企業の半導体事業間の格差がさらに広がる見通しだ。

 SKハイニックスは23日、昨年第4四半期(10~12月)に売上19兆7670億ウォン(約2.1兆円)、営業利益8兆828億ウォン(約8800億円)を記録したと明らかにした。直前四半期より売上は12.5%、営業利益は15.0%増えた数値で過去最大値だ。昨年は年間でも売上66兆1930億ウォン(約7.2兆円)、営業利益23兆4673億ウォン(約2.55兆円)を上げ、史上最高記録を塗り替えた。

 韓国国内での「営業利益1位」の王冠も獲得した。昨年第3四半期にはサムスン電子が9兆1834億ウォン、ハイニックスが7兆300億ウォンを記録し、それぞれ1、2位を占めたが、第4四半期はハイニックスがサムスン電子(6兆5千億ウォン)を上回った。サムスン電子が第3四半期に続き、第4四半期にもマイナス成長を続けた結果だ。「半導体酷寒期」のような特殊な状況を除けば、サムスン電子が1位を譲るのは珍しいことだ。

SKハイニックスの実績推移 資料:SKハイニックス//ハンギョレ新聞社

 両社の悲喜を交錯させた決定的要因は、AIメモリーに関する技術力だ。ハイニックスは第4世代高帯域幅メモリー(HBM3)を「AIチップの第1人者」であるNVIDIAに独占供給したのに続き、第5世代製品(HBM3E)の物量も大部分引き受けている。今やハイニックスの売上のうち、HBMの割合が20%を超えるほどだ。データセンターに使われる第5世代DRAM(DDR5)とNAND基盤保存装置(eSSD)もハイニックスの成長を牽引した高付加価値製品だ。中国発の物量攻勢とスマートフォン、パソコンの需要の萎縮で旧型メモリー価格が下がる局面でも実績が改善された背景だ。

 今年は旧型メモリーを中心に業況が悪化し続け、業界の両極化がさらに明確になる見通しだ。AIブームに乗ったハイニックスは旧型メモリーへの依存度を急速に減らしている反面、サムスン電子は不確実性が高い状況だ。ハイニックスはDRAMの売上に占める旧型製品(DDR4・LPDDR4)の割合が昨年の20%から今年は一桁に縮小するとみている。サムスンはこの比重を明らかにしていない。

23日、ソウル市中区のハナ銀行本店ディーリングルームのモニターを通じて、海外メディアがSKハイニックスの業績ニュースを伝えている/聯合ニュース

 ハイニックスの成長を牽引したAIブームは今年も続くとみられる。ビックテック企業に加え、最近、米国をはじめとする主要国では政府レベルのAI投資の熱気も現れている。ハイニックスは「長期的なHBM需要の成長は疑いの余地がない」と語った。ハイニックスの技術優位も当分維持される見通しだ。ハイニックスは第6世代高帯域幅メモリー(HBM4)の基盤となる11~12ナノメートル(nm)工程でもサムスンをリードしているとの評価を受けている。

 第2次トランプ政権発足で高まった世界の景気不確実性は負担になる要因だ。米国の半導体輸出規制強化が実績を引き下げる可能性もある。ハイニックスは「保護貿易主義の強化と地政学的リスクの深化などにより需要の不確実性が存在する」と述べた。SKハイニックスの株価は同日、有価証券市場で前日より2.7%下落した12万9500ウォンで取引を終えた。

イ・ジェヨン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/marketing/1179502.html韓国語原文入力:2025-01-23 17:52
訳J.S

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