昨年の韓国経済の成長率は、潜在成長率(2.0%前後)にも大きく満たない1.4%にとどまった。消費と輸出の低迷の中、現政権の財政引き締めを意味する「健全財政」基調も異例の低成長を招いた。
韓国銀行が25日に発表した「2023年第4四半期および年間の実質国内総生産(速報)」によると、昨年の年間の実質国内総生産(GDP)は前年に比べ1.4%の増。2000年以降、新型コロナウイルス禍(-0.7%、2020年)、グローバル金融危機(0.8%、2009年)を除くと、成長率が1%台にとどまったのは昨年が初めて。
特に低迷しているのが消費と輸出だ。民間消費の増加率(対前年比)は1.8%と、2020年(-4.8%)より後の最低値を記録。コロナ防疫が終わった後に現れた「リベンジ消費」が弱まり、物価高と高金利の負担も本格化したためだ。情報通信(IT)景気の悪化により、輸出増加率もここ3年の最低値である2.8%を記録した。
政府財政も、実体経済の呼び水の役割を果たせていない。現政権の「健全財政」基調のせいで財政支出が脆弱だったということだ。政府消費の増加率は1.3%で、2000年(0.7%)より後の23年で最低となった。
昨年の成長率は、約2.0%と推定される潜在成長率よりも低い。基礎体力にも満たない成長だったのだ。中央大学のリュ・ドッキョン教授(経済学)は、「経済環境が良くない中、政府の財政引き締め基調が1%の低成長をもたらした。潜在成長率より低い成長率は、政府の政策基調の全面的な見直しが必要だということを意味する」と述べた。