本文に移動
全体  > 経済

米・カナダ、年明けに金利引き下げのシグナル出すか…下げても「中金利」予想

登録:2023-12-25 06:26 修正:2023-12-25 07:08
来年の金融政策の方向を左右する世界経済
クリップアートコリア//ハンギョレ新聞社

 来年の世界経済は、急激な政策金利の引き上げを終わらせ金利を下げる岐路に立つと予想される。高騰していた物価上昇の勢いが鈍化の局面に入っているからだ。経済研究機関の間では、米国とカナダで政策金利の引き下げが始まり、ユーロ圏や英国などが後を追うという予測が出ている。主要国は金融政策の方向を定め、韓国銀行も早ければ来年下半期から、金利引き下げの時期への悩みが深まるものとみられる。金利が下がるとしても、かつての「低金利時代」のような低い水準ではなく「中金利長期化」になる可能性も注目される。

 24日の経済研究機関「キャピタル・エコノミクス」(CE)の分析によると、来年は連邦準備制度理事会(FRB)とカナダ中央銀行から政策金利の引き下げを始めると予された。欧州中央銀行(ECB)とイングランド銀行(BOE)は、それより遅れて政策金利を下げると予想された。CEのチーフエコノミストのニール・シアリング氏は「過去の事例を考慮すると、欧州の政策決定者は米国よりさらにタカ派(金融引締め選好)」だと分析理由を説明した。

 来年は中央銀行が相次いで金融政策を切り替えるという予想が出てくる理由は、物価上昇の勢いが鈍化しているためだ。今年11月時点での主要国の消費者物価上昇率は、米国(3.1%)、カナダ(3.1%)、ユーロ圏(2.4%)、英国(3.9%)など2~3%台だ。昨年は最大で9~10%台に達した物価上昇率の高値に比べると、大幅に下落した数値だ。

 FRBはすでに12~13日(現地時間)の連邦公開市場委員会(FOMC)の会議で、来年は政策金利を3回下げると予告した。カナダ・欧州・英国の中央銀行は現時点では政策金利の引き下げには一線を画しているが、米国の後に続いて金利引き下げを断行するという予測が金融市場では浮上している。

 アジア各国の中央銀行の悩みも深まっている。韓国銀行も基準金利の引き下げに対しては言及を控えている。主要国より物価上昇の勢いの鈍化速度が遅く、累増した家計負債の問題もあるためだ。来年上半期の米国などの金融政策の転換の動きを見つつ、韓国銀行は早くても下半期になってから国内の経済状況を考慮して動く可能性が高い。一方、世界で唯一低金利を維持している日本は物価上昇率が高く、主要国とは反対に来年は政策金利を上げる可能性がある。

 各国の政策金利が下落するといっても、かつてのような「低金利時代」の到来は難しいものとみられる。FRBの場合、来年は3回金利を下げるといっても、年末の金利水準は年4.6%(中央値・FOMCの12月のドットチャート基準)に達する。再来年末の金利水準も年3.6%だ。FRBは政策金利の引き下げを示唆したが、実際に行動に移すかどうかも見守らなければならない。一部のFOMCの委員は、来年3月の政策金利の引き下げに対する期待に歯止めをかけている状態だ。投票権を持つニューヨーク連邦準備銀行のジョン・ウィリアムズ総裁は15日、「私たちは今は金利引き下げの話はしていない。インフレを目標値(2.0%)に戻すために金融政策が十分引き締められているのかどうかに集中している」と強調した。

チョン・スルギ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/finance/1121637.html韓国語原文入力:2023-12-25 02:45
訳M.S

関連記事