本文に移動
全体  > 経済

[ルポ]ドイツモーターショーを埋め尽くした中国製EV…「我々が1位」

登録:2023-09-05 20:16 修正:2023-09-06 08:34
ミュンヘン・モビリティショーの「ホスト格」であるドイツ企業より大規模な展示場
メルセデス・ベンツが5日に開幕したミュンヘン・モビリティショー(IAAモビリティ2023)で、純電気自動車コンセプトカー「ビジョン・ワンイレブン」を披露した=オク・キウォン記者//ハンギョレ新聞社

 世界4大モーターショーの一つである「ミュンヘン・モビリティショー」(IAAモビリティ2023)が4日(現地時間)、ドイツのミュンヘンで幕を開けた。自動車産業の競争力が強いドイツのホームで開かれるイベントだが、中国メーカーが最も広い展示場を占めるなど、欧州市場に挑戦状を突きつけるような姿を演出した。

 この日、会場の「メッセ・ミュンヘン」(Messe Munich)に入ると、大会のスローガン「連結されたモビリティを体験せよ」という字句が目に飛び込んできた。今年のモビリティショーは、新型コロナウイルス感染症のパンデミック以降、自動車メーカー各社の変化した技術力を直接見ることができるイベントであり、開幕初日から多くの観覧客が訪れた。メルセデス・ベンツ、BMW、フォルクスワーゲンをはじめ、テスラ、ルノー、ポルシェ、比亜迪(BYD)、現代モービス、コンチネンタルなどが参加した。

BMWは5日、ミュンヘン・モビリティショーで未来型EVスポーツカーの「ノイエ・クラッセ」を初公開した=オク・キウォン記者//ハンギョレ新聞社

 ベンツは今年のモビリティショーでEVコンセプトカーである「ビジョン・ワンイレブン」を公開し関心を集めた。現場で会ったベンツの関係者は「1970年代にブームを起こした『C111』をEVコンセプトに再解釈したスポーツカーで、ベンツのEVのビジョンを示している」と説明した。

 BMWもEV市場を狙ったコンセプトカー「ノイエ・クラッセ」(新しい水準・New Class)と名付けたスポーツカーを前面に打ち出した。BMWを象徴する「キドニーグリル」をEVに合わせて解釈したフロントデザインが目を引いた。BMWは「ノイエ・クラッセ」がEVパワートレインとデジタル革新などの技術方向を提示すると紹介した。

 「ホスト格」であるドイツ企業より今回のショーでさらに大規模の展示場を占めたのは、比亜迪(BYD)やサイリス(重慶小康動力)などの中国企業だった。中国のEV1位の比亜迪は、ベンツの展示場より2倍ほど広い空間で、欧州舞台で初めて公開するスポーツ実用車(SUV)「シールユー」など6モデルを展示した。ビジャディ欧州代表のマイケル・シュー氏は「ドイツの自動車史は137年にもなるが、車を作ってから20年しか経っていないビジャディ氏がすでに昨年の新エネルギー車両販売で世界1位になった」と述べた。

中国の電気自動車メーカーBYDが5日、ミュンヘンモビリティショーでスポーツ用多目的車(SUV)モデルの「シールU」を初公開した。写真はシールUの車内の様子=オク・キウォン記者//ハンギョレ新聞社

 今回の行事に参加した中国企業は47社に上る。軽自動車からプレミアム級自動車まで需要が均等な欧州市場に、中国メーカーの攻勢的進出が予告されたわけだ。マスコミや観覧客の関心も中国企業に注がれた。彼らが展示した新車の内部をよく見るためには数十分も待たなければならなかった。

 ただ、中国の新生自動車メーカーの技術力とデザイン能力が成熟していないだけに、欧州の自動車モデルを真似する水準だという評価もある。一例として、中国メーカー「東風風行」の英文名(FORTHING)は、ドイツのスポーツカーブランドであるポルシェと語感が似ており、ロゴデザインは怒った雄牛の姿のランボルギーニに似ていた。

サムスンディスプレイが5日に開幕したミュンヘンモビリティショーで、画面が折りたため、両側に拡張されるフォルダ・スライダブル製品を披露した=オク・キウォン記者//ハンギョレ新聞社

 今年のミュンヘン・モビリティショーには、現代自動車や起亜自動車など韓国国内の完成車メーカーは展示場を設けなかったが、LG電子やサムスン電子などの電装事業拡大を狙う電子メーカーの参加は目立った。サムスン電子の半導体部門(DS)は、車両インフォテインメントプロセッサー(エクシノスオートV920)とイメージセンサー(アイソセルオート1H1)を披露し、サムスンディスプレイは車両用のディスプレイ画面が折りたため両側に拡張されるフォルダ・スライダブル革新製品を公開した。

ミュンヘン/オク・キウォン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/car/1107229.html韓国語原文入力:2023-09-05 18:56
訳J.S

関連記事