今年上半期基準で、世界各国で新規登録された電気自動車(EV)の数が昨年同期に比べ40%以上増加した。それだけ世界のEV販売台数が増加したのだ。完成車メーカー別の市場シェアは、中国の比亜迪(BYD)が3桁の成長率を記録し1位を占め、現代自動車・起亜は7位にとどまった。
3日、エネルギー市場調査会社SNEリサーチによると、今年1~6月に世界各国(80カ国)で登録された電気自動車(BEV)・プラグインハイブリッド車(PHEV)は616万1千台余りで、昨年同期比41.7%増加した。
完成車メーカー別の市場シェア順位をみると、BYDが20.9%で1位に上がった。BYDの上半期のEV販売台数は128万7千台余りで、昨年同期比100.1%増加。2位はテスラ(14.4%)だ。昨年同期比57.4%増の88万9千台余りを販売した。SNEリサーチは「テスラは攻撃的な値下げ政策、主力車種モデルに対する米政府のインフレ抑制法(IRA)の税制優遇が大きかった」と分析した。
上海自動車グループ(SAIC)、フォルクスワーゲングループ、吉利汽車(Geely)、ステランティスが後に続いた。現代自動車・起亜は、それらに次いで7位にとどまった。アイオニック5、EV6、ニロを前面に押し出した現代自動車・起亜の上半期のEV販売台数は約26万6千台で、昨年同期比5.3%増加。現代自動車・起亜のEVの世界シェアは、昨年上半期の5.8%(5位)から今年上半期には4.3%に低下した。
現代自動車・起亜が後退した理由は、中国メーカーが中国内需市場を背景に世界シェアの上位圏を占めたためとみられる。自動車融合技術院のイ・ハング院長は「EV需要の60~70%が中国市場から出ているが、これを中国メーカーが先行取得しており、テスラとフォルクスワーゲン程度だけが中国市場で善戦している状況だ。現代自動車・起亜は中国市場の成長の流れに乗れずにいる。中国市場を除いては量的成長が難しく、限界がある」と話した。
現代自動車・起亜側は、EVが中心のテスラを除けば、伝統完成車強者のフォルクスワーゲンやステランティスに比べてEVの市場シェアの順位がさほど低くないと評価している。
地域別EV販売台数をみると、中国と北米地域での販売台数は昨年同期比でそれぞれ42.7%、53.2%増加。欧州地域の販売量は26.4%増に止まった。中国を除くアジア地域の販売量は77.5%増加した。
SNEリサーチは、欧州地域での販売量成長率が低調な理由について「今年初めからの欧州の補助金恩恵縮小、戦争によるエネルギー費用の増加が原因と分析される」と明らかにした。続いて「アジア地域とその他の地域の上昇傾向が目立っているが、中国企業の国外進出が本格的に始まったことを示している」とし「強固な内需市場とサプライチェーンが土台になる中国のEVメーカーの積極的な国外進出と、米国と欧州の自国産業保護政策の変化を注視する必要がある」と指摘した。