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8年ぶりに100円=800ウォン台…円の急落

登録:2023-06-20 06:33 修正:2023-06-20 07:40
クリップアートコリアより//ハンギョレ新聞社

 ウォンに対する円相場が8年ぶりの最低水準に下落した中、19日、円相場が取引中100円=900ウォン台を割り込んだ。「円安現象」の主な動力は、唯一金融緩和を貫いている日本の金融政策。今後のウォンに対する円相場の行方は、日本の金融政策の転換とウォン高がどこまで進むのかにかかっているものとみられる。

 円に対する裁定為替相場は同日午後3時30分基準(ハナ銀行告示)で100円=905.21ウォン。ウォンと円を同時に取引する外国為替市場は存在しないため、両為替相場の相対的な価格はウォンとドル、円とドルの相場を基準に間接的に算定される。円相場は同日午前、一時100円=897.49ウォンまで円安が進んだ。円に対するウォン相場が900ウォン台を割り込んだのは、2015年6月25日(897.91ウォン、午後3時30分基準)以来約8年ぶり。

 円安の原因は日本の金融政策にある。日銀は16日、金融緩和政策の維持を決めた。インフレを促進し、消費者物価上昇率(生鮮食品を除く)が安定的に2%になるまで資金を供給し続ける方針だ。短期金利(-0.1%)を凍結し、長期金利指標である10年物国債金利を0%程度に誘導する長短金利操作(YCC)も継続することにした。各国の中央銀行が物価を下げるために政策金利を引き上げているのとは対照的な風景だ。

 この決定がさらなる円安をもたらした。円に対するウォン相場は4月27日に100円=1000.26ウォンを記録してから、今月16日(903.82ウォン)まで9.6%急落した。円の価値がそれだけ大きく低下したという意味だ。同期間中、ドルに対する円の価値も5.2%下がった。

 一方、最近になってウォン高が進み、円安のもう一つの主要原因となっている。4月27日~6月16日、ドルに対し5.2%の円安が進む間、ウォンは反対に5.2%のウォン高を記録した。半導体景気回復の期待感で外国人投資資金が韓国に流れ込んできたことによるものだ。

 過去最高水準の円安は、韓国国内の投資の流れに影響を与えている。多く人々が円預金にお金を入れて日本の株式投資を始めたのは「為替差益」を念頭に置いた選択だ。一方、円安は日本と競争する国内の輸出企業にとって朗報ではない。円安は国内企業の輸出品の相対的な価格競争力の低下を意味するからだ。ただし、過去よりは日本との輸出競争度が低くなったため、円安による影響は相対的に減ったものとみられる。日銀の植田和男総裁は16日、金融政策決定会合後の記者会見で、「円安効果はプラスとマイナスが共存する」としながらも、全体的に円安は日本経済に肯定的要因として作用すると評価した。

 今後、円相場の行方は、日本の金融政策とウォン高の進み具合が主な変動要因になる見通しだ。下半期に日銀の金融緩和が弱まった場合、再び円高が進む可能性がある。ウォン高が続くかどうかも重要だ。同日、円相場が100円=900ウォン台を回復した背景には、ウォン高がやや鈍化したことも影響を及ぼした。ドルに対するウォン相場は同日、1日で1ドル当たり10.1ウォンもウォン安が進んだ。

 NH先物のキム・スンヒョク研究員は「今年末頃、日本銀行の金融政策が変わる可能性があり、ウォンの価値はしばらく現在の水準を保つものとみられ、円安も下半期には持ち直しの圧力を受けるものと予想される」と話した。

チョン・スルギ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/finance/1096635.html韓国語原文入力:2023-06-19 22:14
訳H.J

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