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貨物連帯ストでセメント業界「出荷は平時の10%未満、首都圏は全面ストップ」=韓国

登録:2022-12-01 06:52 修正:2022-12-01 11:13
主要業界団体「貨物連帯スト中止、安全運賃制撤廃」訴え 
飼料協会「家畜の餓死を懸念」
30日午前、ソウル三成洞の貿易センターで行われた「貨物連帯集団運送拒否に関する荷主団体記者懇談会」で、貿易協会のチョン・マンギ副会長(中央)が発言している=貿易協会提供//ハンギョレ新聞社

 韓国貿易協会は30日午前、ソウル江南区三成洞(カンナムグ・サムソンドン)の貿易センターでセメント協会などの6つの業界団体とともに緊急記者懇談会を行い、民主労総公共運輸労働組合・貨物連帯本部(貨物連帯)の集団運送拒否(ストライキ)の即時中止と安全運賃制の撤廃を求めた。

 貿易協会のチョン・マンギ副会長は「貨物連帯は妥当でない安全運賃制の常時化のための集団運送拒否行動を中止し、荷主、車主、運送事業者いずれもがウィンウィン(共生)できる方策作りに取り組んでくれることを願う。特に、デジタル運行記録計データの共有を通じた事故原因の正確な診断と、それに則った処方づくりに協力してほしい」と述べた。政府と国会に対しては「貨物連帯の集団行動による経済被害を減らすための解決策として彼らの要求を受け入れてはならない」と述べた。

 安全運賃制とは、貨物運転者の安全確保のために距離に則った最小運賃を国土交通部が定め、これに達しない運賃を支給する荷主に対しては1000万ウォン(約106万円)以下の過料を科すというもの。政府が2020年に3年の期限付きで導入・施行し、今年末に終了する予定となっている。貨物連帯はこの制度の常時化を求め、24日から集団運送拒否を続けている。

 この日の記者懇談会でセメント協会は「国内の1日当たりのセメント需要は18万~20万トン(繁忙期)だが、貨物連帯の運送拒否により平日の出荷量は10%未満で、1日当たり180億ウォン(約19億円)以上の莫大な売上損失が発生しているため、セメント業界の経営悪化は徐々に深刻化している」と述べた。セメント協会のイ・チャンギ副会長は「東海(トンヘ)、丹陽(タニャン)、提川(チェチョン)などのセメント生産工場はもちろん、首都圏の流通基地も完全に出荷停止状態」だと語った。

 大韓飼料協会は光陽(クァンヤン)港、釜山(プサン)港などからのコンテナによる原料供給に困難をきたしているほか、物流費増加問題に直面していると訴えた。酒粕などコンテナで輸入される原料の1工場あたりの1日の使用量は30~50トンだが、現在は7日間入庫がないため、まもなく生産を停止する工場が出るとの見通しを示した。そして、これによって家畜の餓死などの農家への被害が生じるだろうとの懸念を示した。各農場の飼料の平均保管量は2~3日分であるため、補充が滞れば最悪の事態を招く恐れがあると同協会は語った。

 石油化学協会は28日から出荷に支障が出ており、今週末からの稼働率低下または設備稼動の停止を予想した。出荷量が業界の1日平均出荷量7万4000トン(約970億ウォン、約102億万円)の30%ほどであるため、被害額は1日平均680億ウォン(約71億8000万円)に達するとの推定を示した。

 大韓石油協会は、精油4社の石油製品の生産は正常に行われていると述べた。業界は取引先に事前注文および在庫備蓄を呼びかけるなどで対応中だが、運送拒否が長期化すれば石油製品の供給に支障が出るとの懸念を示した。

 自動車産業協会は、社員やアルバイト人材による自主輸送のかたちの非常対応により、人件費などの運営費負担の増加が業界全体で1日4億ウォン(約4220万円)に達すると明らかにした。

 鉄鋼協会は、業界の出荷に出ている支障は29日時点で60万トン、金額で8000億ウォン(約845億円)に達すると推定した。

キム・ヨンベ先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/1069518.html韓国語原文入力:2022-11-30 08:30
訳D.K

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