チュ・ギョンホ副首相兼企画財政部長官が「韓国で経済危機が再燃する可能性は極めて低いというのが外部の見解」だと述べた。また、米国の利上げが長くは続かないという見通しを示す一方、「韓国は外貨準備高が十分なので問題はない」と語った。
チュ副首相は30日、アジア開発銀行(ADB)の年次総会に参加するためフィリピンのマニラを訪問中に記者団の取材に応じ、「米国のロバート・カプロス財務次官補(アジア太平洋地域担当)、浅川雅嗣ADB総裁、フィリピンのベンジャミン・ディオクノ財務相、日本銀行の黒田東彦総裁などに会ったが、今は過去の危機の時と状況が異なり、危機が再燃する可能性はないというのが大方の見解だった」と説明した。
チュ副首相のこのような認識の背景には、米国の利上げは長く続かないだろうという見通しと、韓国の外貨準備高の規模に対する楽観的な態度がある。チュ副首相は「米国の利上げにより短期的に一部資本の動きが現れる可能性がある」としながらも、「これが非常に長く続くわけではない。結局、経済と金利が反応する中で政策を進めていかなければならないため、一定期間になれば再び正常水準の調整が行われる」と述べた。また「しかも韓国は外貨準備高も多いため、危機再燃の可能性は全くないと見ている」とし、「市場が不安になると、体力が弱いところが先に困難の兆候が現れるが、まだ韓国は大丈夫な状況」と付け加えた。
チュ副首相は経済危機と関連したメッセージ管理の難しさについても語った。チュ服首相は「ひとまずあまり不安に思わないでほしいというメッセージを常に出しているが、不安に思わないでほしいと言うと政府が市場を安易にみていると言われ、不安だからしっかりすべきだと言うと政府が不安を助長していると言われる」と述べた。
最近エネルギー価格が不安定な中で、チュ副首相は省エネの必要性にも言及した。チュ副首相は「貿易収支悪化の一番の主犯がエネルギー輸入額の増加」だとし、「最近は半導体価格の下落(の影響)も現れているが、エネルギー節約と利用の効率化を徹底する必要がある」と述べた。