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1ドル=1400ウォンに迫る…韓国「貿易赤字・半導体の不安定」など悪材料も山積み

登録:2022-09-08 06:18 修正:2022-09-08 09:19
世界でドル高進む中、国内経済の基礎体力まで不安 
貿易赤字、輸出悪化、インフレ抑制法などの悪材料も
ウォン安ドル高が急速に進み、13年5カ月ぶりに1ドル=1380ウォン台を突破した7日午後、ソウル中区のハナ銀行本店のディーリングルームで行員が業務を行っている/聯合ニュース

 7日、ウォン安ドル高が一時1388.40ウォンまで進み、1400ウォン突破も時間の問題とみられている。ウォンは対外的に世界的なドルの急騰傾向に歯止めをかける要因がみられない状況で、対内的にも商品収支(通関ベースの貿易収支に該当)の赤字、半導体輸出の悪化、海外投資資金の流出など、ウォン安を促す要因が積み重なっている。ウォン安の長期化に備えなければならないという声もあがっている。

 7日、ドルに対するウォン相場が1ドル=1380ウォンを上回ったのは、対外的には世界的なドル高現象を阻止する要因がないからだ。対内的には、同日発表された7月の商品収支の赤字(11億8千万ドルの赤字)がウォンの価値をさらに低下させる要因として働いた。商品収支と貿易収支は原材料価格の高騰で赤字を記録しているが、国内のドルの需給への不安につながっている。商品収支は税関通関基準で集計する貿易収支の5カ月連続赤字にもかかわらず、中継貿易の純輸出(韓国企業の海外法人の生産・輸出活動)などのおかげで、これまで黒字基調を維持してきたが、7月には前月に比べて輸入額は43億ドル増加した一方、中継貿易の純輸出は4億6千万ドル減少し、赤字に転じた。

 ウォン安を煽る要因はますます増えている。ハイ投資証券のパク・サンヒョン研究員は7日、「ウォン相場が1ドル=1400ウォン台から1450ウォン~1500ウォンまでさらに進む可能性も排除できない」と話した。

 専門家たちは韓国経済の輸出を支える半導体の業況まで不安定になっていると懸念を示している。パク研究員は「情報通信技術(ICT)の業況サイクルの急落が新たなウォン安の要因となっている。国内半導体輸出の1位と3位を占めている中国と香港に対する半導体輸出が揺らぎ始めた」と話した。

 米国のインフレ抑制法(IRA)も、中長期的にウォン安に影響を及ぼすとみられる。韓国企業が税制の恩恵を受けるために米国現地生産に対する投資を増やした場合、資金の流出と投資用ドル資金需要の増加でウォン安がさらに進む可能性がある。ユジン投資証券は6日「国内企業は米国のインフレ抑制法案の影響で海外投資を続けざるを得ないが、直接投資資金の流出はウォン安の要因だ」と明らかにした。

チョン・スルギ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/finance/1057939.html 韓国語原文入力::2022-09-08 02:20
訳H.J

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