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韓国、株・ウォン価大幅に下落…金融安定指数、「注意」段階突入

登録:2022-06-21 06:39 修正:2022-06-21 08:49
金融安定指数(FSI)、最近「注意段階」の8に達したもよう 
IMF危機・世界金融危機の際、8カ月後に危機段階に移行 
金融脆弱性指数(FVI)も世界金融危機時に近い水準
20日午後、ソウル永登浦区の汝矣島にある韓国取引所の電光掲示板にこの日のKOSPI指数が表示されている=カン・チャングァン先任記者//ハンギョレ新聞社

 「KOSPI -20%、ドルあたりウォン相場 -7.78%」

 株と韓国ウォンの価値はもちろん、国債価格も年初に比べ大きく下落している。米国と韓国の中央銀行による強い緊縮への動きと景気鈍化への懸念により、主要な金融指標が急落している状態だ。これにともない、金融の安定状態を示す「金融安定指数」(Financial Stability Index, FSI)が最近、「注意」段階に到達したことがわかった。金融市場で鳴り響く警告音に注目しなければならないという懸念が生じている。

 20日、KOSPIは前日より49.90(2.04%)下げた2391.03で取引を終えた。終値基準で2400台を切ったのは、2020年11月4日(2357.32)以来。今年1月3日に2988.77で取引を終えたKOSPIが、約6カ月後には2400台を割り込んだ。ウォン・ドル為替は前日比で5.1ウォン安い1292.4ウォンで取引を終えた。年初にはウォン・ドル為替は1191.8ウォンだったのが、半年間で100.6ウォンもウォン安になった。年初は年1%台だった国債3年物の金利は、3.675%で取引を終えた。

 この日の韓国銀行と金融業界によると、先月のFSIは注意段階(8以上)に達したと推定される。FSIは、世界金融危機当時の2008年1月に注意段階に到達した後、8カ月後に危機段階に突入した。現時点で公開されている数値は、2月の7.4だ。ある関係者は「2月以降、金融市場の変動性が拡大し、数値がさらに上昇した可能性が高い」と述べた。FSIは、コロナ禍初期の2020年4月、一時24.4になった後、0~2の間で安定していたが、昨年10月からふたたび揺れ動いている。FSIは、株式・為替・債権市場、銀行の延滞率、経常収支、クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)スプレッド、成長率や物価上昇率などを総合的に反映する金融の安定指標だ。

 FSIは、IMF危機(100)や世界金融危機(57.5)などの過去の経済危機のたびに上昇した。注意段階の臨界値の8を超えた後、上昇を続け、6~8カ月後に危機段階(22以上)になり、危機段階は9~27カ月間続いた。今回のFSIの注意段階への到達を注視しなければならないという話が出てくるのはそのためだ。

 同様に、金融脆弱性指数(Financial Vulnerability Index, FVI)の動きも尋常ではない。現時点で公開されている数値は、昨年第4四半期基準の54.2で、2009年第2四半期の世界金融危機(52.4)に近い水準だったが、今年第1四半期は、これよりさらに上昇したことが把握されている。FVIは、金融機関の対応能力まで考慮しており、中長期的な金融の安定状況を示す。韓国銀行は22日にFSIとFVIの最新の数値を発表する予定だ。

 金融当局は、市場変動性が金融システム全体の危機に拡大するかどうかを心配している状況だ。金融市場は債券と債務が複雑に絡みあっており、一方で問題が起きると、ドミノ式に危機が生じる可能性がある。特に、コロナ禍の期間中に「借金して投資」をした家計と企業の返済能力が悪化すれば、関連する金融機関の健全性にも問題が生じる。現在の資産価格は、株式や債券だけでなく住宅価格についても、ソウルのマンション価格が先週2年ぶりに下落(先週比)するなど、変動性が激しくなっている。韓国内の銀行が不良債券に備え積み立てる積立金の割合(貸倒引当金積立率)は、今年第1四半期基準で181.6%であり、前半期末(165.9%)に比べ15.7ポイント高い状態だ。金融監督院のイ・ボクヒョン院長はこの日、頭取たちと会談し、「新型コロナに対応するための財政・金融支援により、不渡り率が過小評価されている可能性が高い」としたうえで、「より保守的な将来の見通しを反映し、引当金を十分に蓄積するなど、損失吸収能力を拡充しなければならない」と強調した。

チョン・スルギ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/finance/1047744.html韓国語原文入力:2022-06-21 02:40
訳M.S

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