緊縮の三角波が押し寄せている。ウクライナ戦争と中国の新型コロナ封鎖で物価が急騰し、米国、英国、欧州の中央銀行が続々と靴紐を引き締めている。
ジェローム・パウエル米連邦準備制度(Fed)議長は21日(現地時刻)国際通貨基金(IMF)での討論で、来月の通貨政策会議で0.5%の利上げが議論されることを公にした。パウエル議長は「5月の会議で、0.5%の利上げがテーブルの上にある(選択しとなる)」とし「私の考えでは、もう少し早く動くのが適切だ」と述べた。サンフランシスコ連邦準備銀行のメアリー・デイリー総裁は、0.5%の引き上げが二回程度可能だと話した。米金利先物市場で、Fedが6月の会議で一度に0.75%を引き上げる可能性は64.2%に達した。米国債の金利は急反騰した。
英国の中央銀行(BOE)でも0.5%の引き上げが議論された。イングランド銀行のキャサリン・マン政策委員は、インフレーションを抑制するために5月の基準金利を0.25%より大幅に引き上げるべきか悩んでいると話した。市場では8月までに一回の0.5%引き上げがなされると予想した。
欧州中央銀行(ECB)では7月の利上げの可能性が提起された。ルイス・デギンドス副総裁はこの日、7月に資産買い入れを終了した後に金利を上げることもありうると話した。ただし、クリスティーヌ・ラガルド総裁は資産買い入れを終了した後に利上げが必要か否かを評価するとし、慎重な態度を見せた。
世界の緊縮が進む可能性により、金融市場の投資心理は冷え込んでいる。22日、韓国総合株価指数(KOSPI)は0.86%(23.5)下落した2704.71で取引を終えた。取引中には2700ラインが崩壊し、2690まで下がりもした。ウォン-ドル為替レートは、ソウル外国為替市場で一時1245.4ウォンまで上昇(韓国ウォンの価値下落)し、新型コロナパンデミック以来2年1カ月ぶりに最高水準を記録した。午後に入ると上昇幅が縮小し、0.1ウォン上がった1239.1ウォンで締め切られた。債券市場で国庫債の金利はいっせいに上昇(債券価格下落)した。アジアの証券市場は、台湾が0.6%下がり、日本の日経平均株価が1.63%下がるなど、ほとんどの市場で値を下げた。これに先立ち、ニューヨーク証券市場は、ハイテク株中心のナスダック指数が2%以上下がるなど、3大指数がそろって下落した。