「入国者の隔離免除発表後、海外旅行商品に対する関心と問い合わせが増加しております。特にハネムーン商品や航空券などの一部の予約は目立って増えています。海外旅行への期待が高まっているようです」(ハナツアーのチョ・イルサン首席)
新型コロナウイルス大流行の長期化の直撃を受けた旅行・航空業界に久々の「風」が吹いている。11日に中央災害安全対策本部が、コロナワクチンの接種を済ませた海外からの入国者の隔離を21日から免除すると発表したからだ。旅行業界は昨年末、政府の「ウィズコロナ」発表で活気が戻りつつあったが、オミクロン拡散以降に海外からの入国者に対する10日の自主隔離方針が発表され、再び大きな打撃を受けた。旅行・航空会社は、入国時の長期の自主隔離のせいで旅行需要が増えないとして、これの廃止を求めてきた。
ハナツアー、モドゥツアー、ベリーグッドツアー、黄色い風船などの旅行各社は、政府の自主隔離免除発表後、SNSなどを通じた海外旅行マーケティングを拡大している。ベリーグッドツアーは14日、フェイスブックに「もうキャンセルはない。本当に行く」とうたい、3月25日にギリシャ、30日にトルコへと出発するパッケージ旅行商品を紹介した。ハナツアーはスペイン、サイパン、ハワイ、バンコク、パタヤの旅行商品のマーケティングを打っている。黄色い風船もハワイ、オーストラリアなどの旅行商品を紹介しつつ、割引券を提供している。
海外旅行へと向かう空路も広がりつつある。アシアナ航空は、昨年4月から中断していた名古屋線の運航を4月から再開することを決めた。東京、大阪、福岡線は増便する。日本は韓国人旅行客に人気のある観光地のひとつだ。エア釜山(プサン)は釜山-グアム線、釜山-サイパン線の運航を週1回から2回へとに増やし、ジンエアは釜山-グアム線の運航を4月16日から再開する。済州航空は今月30日から週2回の日程で釜山-サイパン線の運航を再開し、既存の国際線も増便する。
ただし旅行業界では、海外旅行が本格的な回復へと転じるのは4月中旬過ぎとなるとの見方が強い。外交部が4月中旬までは「海外旅行の自粛」を勧告しているからだ。外交部は、世界のすべての国と地域に対する特別旅行注意報をさらに1カ月延長している。同時に空路もより拡大されなければならない。ある旅行会社の関係者は「中国や日本などへの運航が増えてはじめて海外旅行は回復しうる」と語った。
国内のオミクロン株感染者の急増とロシアのウクライナ侵攻も障害だ。ある大手旅行会社の役員は本紙の電話取材に対し「旅行客が増えるためには感染者数が減少しなければならず、ロシアとウクライナの戦争による原油価格高騰とロシア領空の迂回による航空券の価格上昇に起因する旅行心理の抑圧も解決されなければならない」と話した。