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韓国銀行「中国、『共同富裕』掲げたが…不平等の解決は容易ではない」

登録:2022-01-24 09:23 修正:2022-01-24 11:41
経済成長の減速、税収拡大の難航、集団間格差の構造的問題
中国の習近平国家主席/聯合ニュース提供

 中国政府は、自国内の経済不平等が深刻化していることを受け「共同富裕」(みんなで豊かに暮らす)を掲げたが、格差の解消は容易ではないと韓国銀行(韓銀)が見通しを報告した。

 韓銀は23日、「海外経済フォーカス」を通じて「中国の経済内の深刻な所得不平等は、体制の正当性と安定性を脅かす可能性があるため、中国政府の立場としては解決しなければならない切迫した問題だが、再分配政策の円滑な推進は容易ではない」と指摘した。

 これに先立ち、中国政府は昨年、共同富裕を中長期政策目標に掲げ、再分配政策を強化すると明らかにした。韓銀によると、中国は改革・開放過程で東部の海岸都市地域に経済発展の成果が集中し、その結果、都市・農村間、地域間の所得格差が大きく広がっている。一例として、2020年基準で都市世帯の1人当たりの可処分所得は、農村の2.6倍に上る。農村の人口の急激な都市流入を防ぐために居住地移転を制限する「戸口(戸籍)」制度は、こうした格差をさらに広げている。戸口の所在地でない地域に居住する人々は、社会福祉の恩恵と住宅購入が制限されるからだ。

 一方、中国政府の財政の所得再分配機能はかなり不十分だ。報告書は「中国の財政支出全体のうち、保健、社会福祉支出の割合(2018年基準)は35%で、米国(45%)、ドイツ(60%)、日本(62%)などに比べてはるかに低い水準」と説明した。

 これを受け、中国政府は昨年から急きょ不平等解決に乗り出しているが、格差の解消は難題となる見通しだ。中国の経済成長の勢いが減速しているからだ。中国の年間経済成長率は、昨年の8.1%から今年は5%前後へと大幅に下がるものとみられる。中国政府の立場では、景気刺激のために、成長より再分配を重要視する政策を果敢に推進しづらいというのが現状だ。成長率防御のための財政支出が急がれる上、税収拡大も容易でないため、再分配政策に使う財源は制限的にならざるを得ない。また、都市と農村、戸口制度などの集団間での不平等問題は、共産党が内部結束を維持する過程で累積されてきた構造的・制度的な問題であり、再分配政策だけでは解決が難しいと思われる。

 報告書は「中国の経済成長の減速が予想される状況で、税収拡大の難航、不確実な企業環境、集団間格差解消の困難などを考慮すると、中国政府の再分配政策が無理なく円滑に推進されるのは容易ではないと評価される」と説明している。

チョン・スルギ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/1028405.html韓国語原文入力:2022-01-23 14:39
訳C.M

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