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「販売中止」日本のバルミューダのスマートフォン…「奇才CEO」は何を夢見たか

登録:2022-01-20 07:29 修正:2022-01-20 08:02
日本のプレミアム家電ブランドのバルミューダが昨年11月に発売したスマートフォン「バルミューダフォン」=バルミューダのウェブサイトよりキャプチャー//ハンギョレ新聞社

 日本のプレミアム家電ブランドのバルミューダが昨年発表した初のスマートフォンが、発売後わずか2カ月で販売中止の議論に巻き込まれた。国内外の消費者の間からは「予想された結果」だという反応が出ているなか、同社が初めてレッドオーシャン市場に一歩遅れて跳び込んだ理由は他にあるという話も出ている。

 19日の外国メディアの報道を総合すると、「バルミューダフォン」を流通するソフトバンクは7日、この製品のオンラインとオフラインでの販売を中止した。一部の周波数帯域で許容値を超える電波干渉が発生する恐れがあるという委託メーカー(京セラ)からの通報のためだった。

 その後、バルミューダは、ソフトウェア上の問題を解決し、13日から製品の販売を再開したが、すでに市場では、10万4800円の本来の価格には遠く及ばない価格で取り引きされていることが分かった。これに先立ち、バルミューダフォンは、昨年11月の発売時から、中低価格帯の製品に使われる「スナップドラゴン765」をアプリケーションプロセッサ(AP)に採用するなど、低いコストパフォーマンスのため酷評を受けていた。

 実は、バルミューダのスマートフォン事業への進出は、当初から「唐突だ」という反応が主なものだった。サムスン電子やアップルなどのグローバル大企業が掌握した市場に、従業員数100人前後の中小企業が進出すること自体が、無理な試みだということだ。しかし、バルミューダの創業者兼最高経営責任者(CEO)の寺尾玄氏は、既存のスマートフォンよりサイズが小さく曲線を強調したデザインを差別化戦略として前面に出し、スマートフォンの発売を押し切った。

 これについて、バルミューダの事情に詳しいある業界関係者は本紙に、「寺尾玄氏は、とんでもないようでありながらも、奇抜なアイデアの持ち主」だとし、「スマートフォンそれ自体より、長期的に未来の次時代のデジタルキーなどを念頭に置き、バルミューダフォンを発売したようだ」と述べた。最近、アップルとサムスン電子が、それぞれBMWと現代自動車の一部のモデルについて、スマートフォンで車両のドアを開閉しエンジンをかけられる「デジタルキー」機能を支援しているのと同様に、バルミューダが各種デバイスをつなぐスマートフォンのプラットフォーム化を考慮し、一種の試作品を出した可能性があるということだ。

 実際、寺尾玄氏は、昨年11月の日本経済新聞のインタビューで、「今後どんな市場を狙っているのか」という質問に、「車や新しいウェブサービスに興味がある」とし、「スマホは10年後、今のままではないのは明らかだが、どう変化していくかは誰もわかってない」と語ったことがある。

ソン・ダムン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/consumer/1027964.html韓国語原文入力:2022-01-19 16:00
訳M.S

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