韓国のサプライチェーンは米国や日本に比べて中国産の中間材に脆弱な構造だと分析された。中国に端を発する「尿素水事態」で、尿素だけでなく産業材全般のグローバル・サプライチェーン再編が関心事として浮上している。
産業研究院は18日、「韓国産業のサプライチェーンの脆弱性および波及経路分析」と題する報告書で、2020年基準で韓国の対中国輸入で戦略的脆弱性が観測され、「関心を持つべき品目」は尿素・シリコン・リチウム・マグネシウムを含め1088個に達すると明らかにした。韓国が中国から輸入する全品目5300個余りの5分の1の水準だ。このうち604個が中間材に該当する。2007年の965個(中間材488個)から大きく増えた。
ここで「関心を持つべき品目」とは、韓国側が貿易赤字であり、中国からの輸入依存度が50%以上の品目をいう。輸入依存度が70%以上の「脆弱品目」は653個(中間材366個)と集計された。
中国からの輸入全体の中で関心品目1088個の輸入は34.0%に達し、中間材604個については25.1%水準だ。米国の場合、関心品目(575個)の輸入は、輸入全体の56.3%であり、中間材(185個)の輸入の割合は16.8%で韓国より低かった。日本について見れば、関心品目(1048個)の輸入の割合は62.9%、中間材(475個)の割合は34.5%だった。米国に比べ、中間材部門で中国に対する依存度が高かった。
韓国の中国からの輸入全体のうち脆弱品目の輸入は22.8%、中間材の輸入の割合は17.5%だった。米国(脆弱品目43.6%、中間材10.3%)、日本(37.7%、13.8%)に比べて、中間材の対中国依存度が高く現れた。
産業研究院は、対中国脆弱品目の需給に支障が生じる場合、韓国の産業に及ぼす効果を測定するために「産業アトラス(Atlas)モデル」を用いてリチウムとマグネシウムの関連産業を分析した結果、「リチウムとマグネシウムの需要産業、すなわち2次連係産業は化学、二次電池、半導体などと現れた」と明らかにした。研究院は「特にマグネシウムの2次連係産業は、鉄鋼や非鉄のような類似業種をはじめ、一般機械・輸送機械などと深い相関関係を有しているが、サプライチェーンの脆弱品目は韓国の主力産業と密接な関係を結んでいて、有事の際に2次被害が発生する恐れがある」と付け加えた。
報告書の作成者であるキム・バウ専門研究員は「中国と緊密な協力関係を維持している韓国経済は、他国に比べ今回の(尿素水)事態のような体系的なサプライチェーンリスクに特に脆弱だが、単にすべての品目を韓国国内で生産したり多角化する戦略を追求するには莫大な費用がかかるので、まず最も脆弱な品目が何かを把握し、品目の性格と関連した産業に応じて対応戦略を模索しなければならない」と提案した。