韓国企業が対外活動において最も負担に感じる通商イシューとして、米国と中国間の対立が最も大きな問題に挙げられた。
大韓商工会議所が今月、韓国企業301社(大企業58社、中堅企業141社、中小企業102)を対象に電話およびウェブ(電子メール)調査を行い、25日に発表した結果によると、最も負担を感じる通商イシューについて、回答企業の40.9%が「米中対立」と答えたことが分かった。このほか、「環境基準の強化」(25.2%)や「非関税障壁の強化」(24.3%)、「労働基準の強化」(11.0%)、「グローバル法人税など課税負担の増加」(9.6%)、「グローバル・バリューチェーン(GVC)の再編」(8.3%)、「デジタル転換」(3.7%)も主な通商イシューに挙げられた。
米国に進出した企業は「原産地基準の強化」(24.3%)を最も懸念していることが分かった。このほか、非関税障壁の強化(22.2%)や反ダンピングなど輸入規制の強化(18.5%)、環境・労働など規制の新設及び強化(15.3%)、同盟国中心の経済協力の強化(14.3%)、グローバル法人税の導入など課税負担の増加(4.8%)も懸念要素と捉えていた。中国に進出した企業は、米国の対中国強硬基調の拡大(41.7%)を最大の負担要因に挙げた。「安全保障の強化」(20.6%)や「THAAD(高高度防衛ミサイル)による影響の継続」(19.4%)、「中国主導のグローバル・バリューチェーンの弱体化」(17.8%)も警戒していることが分かった。欧州連合(EU)に進出している企業各社は、炭素国境調整措置などの環境基準の強化(34.1%)、非関税障壁の強化(30.3%)を懸念要素と見ていた。
今回の調査では、政府に期待する通商政策として、「自由貿易協定(FTA)など、二国間協力の拡大」(40.0%)を挙げた企業が最も多かった。「多国間貿易協定への加盟拡大が重要だ」という回答(10.6%)も合わせると、半数以上が貿易協定への加盟拡大を望んでいることになる。このほか非関税障壁への対応の強化(24.5%)や労働・環境・デジタル転換など新イシューへの対応(18.9%)、主要国によるグローバル・バリューチェーン再編への対応(6.0%)などを主な政策課題とされた。
環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(CPTPP)への加盟については、「加盟すべきではない」という答えは2%にとどまり、ほとんどが加盟を肯定的に考えていることが分かった。「加盟を目指すものの、しばらく保留した方がいい」という企業は36.2%、「米国が加盟する際、共に加盟すべき」という回答は23.9%だった。CPTPPは2018年12月に発効され、現在日本やオーストラリア、カナダ、メキシコなど11カ国が加盟している。
最近の通商環境の変化が企業経営に及ぼす影響については、回答企業の42.5%が「さらに厳しくなる」と答えた。「あまり影響はないだろう」と答えた企業は48.2%、「さらに良くなるだろう」と答えた企業は回答は9.3%だった。通商環境の変化に対しては、「対応策がない」という企業が86.0%(大企業75.9%、中堅企業85.8%、中小企業92.0%)、「対応策がある」という答えは14.0%だった。