韓国国内の製薬会社が開発中の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬が、国内外で相次いで臨床第3相試験に進んでいる。国立保健研究院がGC緑十字と共に開発しているCOVID-19血漿治療薬も、臨床第2相で実際に患者に投与を開始し、年内に緊急使用承認を受けて医療現場で使用できるという見通しが出ている。
21日、製薬・バイオ業界の話によると、世界的な製薬会社の連合体「COVID-19免疫グロブリン(CoVIg)アライアンス」(以下アライアンス)が開発中のCOVID-19血漿治療候補物質が、米食品医薬品局(FDA)の承認を得て今月中に臨床第3相に突入する。アライアンスは日本の武田製薬やCSLベーリング、オクタファルマなど多国籍製薬会社が設立を主導した。韓国ではGC緑十字が合流した。
今回の臨床試験は、米国立衛生研究所(NIH)傘下の国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)の主導で、米国やアルゼンチン、英国などで患者500人を対象とする。完治した人の血液を利用する「免疫グロブリン製剤」の安全性が認められ、臨床第1、2相を免除されただけに、開発スピードは速い。緑十字の関係者は「国内の臨床試験とは直接関係はないが、緑十字がアライアンスに参加しており、国内で開発される血漿治療薬とほぼ同じものであるため、国内の臨床試験にも肯定的な影響を及ぼすだろう」との見込みを示した。
これと共に、韓国ではセルトリオンが17日、抗体治療薬の候補物質「CT-P59」に対する臨床第2相と第3相を同時に承認され、治療薬開発に拍車をかけている。臨床試験は候補物質の基本的な人体安全性(第1相)と治療効果(第2相)を確認した後、多くの患者を対象にした投薬で最終効果と安全性(第3相)を確証する3段階の手続きを踏む。血漿治療薬が主に少数の重症患者を対象にしている一方、CT-P59は軽症患者も治療し、大量生産も可能だ。現在、臨床試験のための患者を募集している。セルトリオンのイ・ゴンヒョク広報チーム長は「年内に意味ある臨床結果を確保し、来年商用化するのが目標」と説明した。
いっぽうこの日、緑十字は血漿治療薬「GC5131」に対する臨床第2相の患者投与が今月19日に始まったと明らかにした。今年中に臨床第2相を終えれば、食品医薬品安全処の治療目的使用承認を得て、緊急医療現場では使用できる可能性がある。全体の試験対象者は、高齢や基礎疾患のある高危険群の患者60人となる。