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[ニュース分析]超高所得層と多住宅者対象のピンポイント増税で税収は微々たる増加

登録:2020-07-23 06:51 修正:2020-07-23 07:52
2020年税法改正案 
 
課税標準10億ウォン超過の所得税率、42%→45% 
2017年に続いて3年ぶりに高所得層対象の増税 
零細自営業者の簡易課税など免除拡大 
5年間の税収増大効果は676億ウォンにとどまる
ホン・ナムギ副首相兼企画財政部長官(右端)が今月20日午後、政府世宗庁舎で行われた「2020年税法改正案」の事前ブリーフィングで発表文を読み上げている=企画財政部提供//ハンギョレ新聞社

 韓国政府が22日に公開した税法改正案は、高所得層や多住宅保有者などから税金をさらに徴収する代わりに、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)などで被害を受けた自営業者や中小企業などに対する税金は減らすことに要約される。これをめぐり一部では“金持ち増税”を行なったという指摘もある。しかし、増える税収は5年間計676億ウォン(約60億4千万円)にとどまり、実際の増税効果は大きくないものと分析される。

 「2020年税法改正案」によると、所得税は来年から課税標準(税金を付ける基準)に「10億ウォン(約9千万円)超過」区間が新たに設けられる。これまで7つの課税標準区間によって6~42%だった税率が、8つの課税標準区間に増え、6~45%の税率が適用される。政府は2017年にも課税標準区間の3億~5億ウォン区間と5億ウォン超過区間を新設し、それぞれ40%と42%の税率を課す高所得層対象の増税を行ったことがある。3年ぶりに再び高所得層に対し、税金負担を増やしたのだ。企画財政部は新区間の適用対象は1万6000人(18年基準)で、税収拡大は9千億ウォン(約800億円)になると見通した。

 これとともに、すでに今年7月10日に不動産対策で発表した通り、多住宅保有者に対する課税が大幅に強化される。3住宅保有者と調整対象地域の2住宅保有者の総合不動産税率は0.6~3.2%から1.2~6%に引き上げられる。1住宅に対する総合不動産税も0.5~2.7%から0.6~3%に上昇する。政府は、「総合不動産税納付者は51万1千人(昨年基準、多住宅保有者約20万人を含む)で、総合不動産税率の引き上げによる税収増加は9千億ウォン」と説明した。短期保有住宅に対する譲渡所得税と多住宅保有者の取得税も引き上げられる。

 政府は庶民・中小企業のための支援は強化または維持されると発表した。簡易課税者の基準が年間売上高4800万ウォン(約430万円)から8千万ウォン(約710万円)に引き上げられ、付加価値税免除の基準金額も年間売上高3千万ウォン(約270万円)から4800万ウォンに上方修正される。これによる税収減少は4800億ウォンだ。首都圏の知識基盤産業など中小企業46業種に対して、所得税と法人税5~30%の税額減免はさらに2年延長する。また、低所得者層のまとまった資金を確保するため、組合出資金などの利子・配当所得に対する非課税特例を維持する。

 今回の税法改正で2021~25年の5年間で税収が計676億ウォン増加(直前年度に比べた純額法基準)すると推算した。高所得者と大企業は1兆8760億ウォン(約1690億円)の税負担が増える一方、庶民や中小企業などは1兆7688億ウォン(約1580億円)ほど減るということだ。ホン副首相は「所得税の最高税率は引き上げられるが、多くの投資税額減免と庶民減免などで税収中立的」だとし「増税というのは適切でない」と述べた。「金持ち増税」という指摘に対しても、イム・ジェヒョン企財部税制室長は「5年間の累積法(今年に比べた税収の変化)を適用すれば、税収がむしろ減る」と反論した。しかし、COVID-19危機の克服、韓国版ニューディールなど財政支出の需要を考慮すれば、政府の税収確保の意志が不十分と見られている。「私が作る福祉国家」のオ・ゴンホ共同運営委員長は「各階層別の適切な税金配分に対する全般的な議論や計画がなく、高所得層だけを狙って引き上げた」とし「政府には体系的な増税計画がない」と指摘した。韓国開発研究院公共経済学部のキム・ハクス研究委員も「財政支出は今後も拡大する反面、歳入環境は弱まった状況」だとし「全般的な増税を行わず、今後も国債発行で財政赤字を埋める方針を示したものと見られる」と分析した。

イ・ジョンフン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/954708.html韓国語原文入力:2020-07-23 02:44
訳H.J

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