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「水上ソーラー、世界市場43兆円規模…韓国企業の新たな成長動力」

登録:2019-08-25 22:23 修正:2019-08-26 07:48
世界銀行、水上ソーラー報告書 
 
「貯水池の1%使用で404GWの設置が可能」 
現在の建設単価基準で500兆ウォンの市場規模 
韓国、市場成熟の条件は整っているが 
「水質汚染を招くという誤った認識で事業取り消し」
水資源公社の青風湖水上太陽光発電所。設備容量は世界15位の3MW。約4千人が使える年間4301MWhを生産する。水上太陽光は、国土を効率的に活用でき、陸上に比べ影の影響が少なく、モジュールの冷却効果のため効率が10%以上高い長所がある=韓火キューセル提供//ハンギョレ新聞社

 陸上ソーラー、建物ソーラーと共に3大ソーラー産業の一軸をなす水上ソーラー市場の規模が、世界で500兆ウォン(約43兆円)に達するという展望が出てきた。関連企業らが環境にやさしい再生エネルギーの生産比重を高める「エネルギー転換」政策の中で、国内で事業経験を確認してこそ世界市場で競争力を持てるとの指摘が出ている。

 韓火キューセル韓国・東南アジア事業部のユ・ジェヨル常務は22日、忠清北道提川(チェチョン)の青風湖(チョンプンホ)水上ソーラー発電所周辺で記者たちに会い、「全世界の貯水池水面の1%に水上ソーラー発電所が段階的に建設されるならば、現在の建設単価を基準として、今後500兆ウォン(約43兆円)以上の世界市場が開かれることになる」として「韓国企業が自国内で十分に経験を積むならば、水上ソーラーは韓国企業の新たな成長動力になるだろう」と話した。韓火キューセルは、世界1位のソーラーセル生産企業だ。

 世界銀行は今年はじめに発刊した水上ソーラー報告書で、世界の貯水池水面の1%を使うならば、水上ソーラー発電所を設置できる設備容量が404GWになると分析した。年間521TWhの電力を発電できる設備規模だ。これは、昨年の欧州全体の電力使用量(3441TWh)の15%となり、世界6位の電力使用国である韓国の昨年の年間電力使用量(565TWh)に近い。市場の拡大を見越した米マサチューセッツ州、台湾、インドなどは水上ソーラーの建設または電力販売事業にインセンティブを与えるなど、政策的に支援している。

水上太陽光の下にいる稚魚の群れ。水上太陽光発電所による陰は魚類の産卵を助ける=韓火キューセル提供//ハンギョレ新聞社

 韓国も市場が成熟する条件はすでに備えている。韓国エネルギー公団によれば、農業基盤施設である貯水池(満水面積の10%)、淡水湖(満水面積の20%)、灌漑排水路(5メートル以上の排水路の2%)だけ活用しても、約6GWの潜在力がある。昨年4月、オランダ最大の水上ソーラー発電所であるリンゲヴァールト発電所(1.87MW)にモジュールを納品するなど、欧州市場で実績を積んでいる韓火キューセルなどのグローバル企業もある。

 しかし、水上ソーラーが水質を汚染させるという認識が広がり、プロジェクトが取り消されるなど関連企業は疲弊している。水上ソーラー設備が設置された陜川(ハプチョン)湖で2014年から4回にかけて環境モニタリングをした韓国環境政策・評価研究院のノ・テホ博士は「水質・生態系に対する調査の結果、発電設備の影響を受ける水域とそうでない水域間に大きな差はなかった」と話した。韓国電子部品研究院のチョン・ジェソン博士も「ソーラーモジュールを構成する材料は、産業界で広く検証された材料を使う」として「水上ソーラー発電所の建設資材とメンテナンス過程の環境安全性は適正な水準」と話した。

チェ・ハヤン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/marketing/907029.html韓国語原文入力:2019-08-25 19:58
訳J.S