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コンビニ店主ら、最低賃金を越え「加盟本社の不公正さ」に照準

登録:2018-07-17 09:36 修正:2018-07-17 16:42
「売上の30%」加盟手数料を引き下げ 
250メートル内の近接出店中止など要求 
政府に対する同盟休業はひとまず留保
全国コンビニ加盟店協会の会員たちが16日午後、ソウル城北区の協会事務所で最低賃金引き上げ共同対応の記者会見を開き、取材陣の質問に答えている=パク・チョンシク記者//ハンギョレ新聞社

 来年の最低賃金が今年より10.9%上がり、時間当たり8350ウォン(約830円)に決定されて以降、コンビニエンスストアをはじめとする加盟店主らの反発が拡散している。特に彼らの怒りが最低賃金の引き上げ率そのものよりは加盟本社の不公正取引の慣行にまで広がっており、推移が注目される。いわゆる「乙(弱い立場の者)同士の争い」から脱し、大企業・加盟本社に向かう声が高まっている。

 16日、全国コンビニ加盟店協会は、ソウル普門洞(ポムンドン)の協会事務室で記者会見を開き、「最低賃金決定に対する根本的な制度改革と代案を作らなければ、再び葛藤ばかりが深まる」とし、5人未満の事業場に対する最低賃金差等適用、加盟手数料引き下げ、近接出店行為(250メートル内に他のコンビニが出店する行為)の中止、カード手数料引き下げなどを要求した。コンビニ加盟店協会はCU、GS25、セブンイレブンなど全国のコンビニ4千~5千カ所の店主らが集まって作った団体だ。彼らはこれに先立ち予告した「同盟休業」については「乙と乙の争いを望まない。慎重に検討する」と一歩引いた。

 この日、コンビニ店主らの要求のうち「加盟手数料引き下げ」と「近接出店行為の中止」などは新たに出たものだ。業界によると、コンビニは売上の平均30~35%を本社の加盟手数料として出している。このような費用負担を減らしてほしいという要求だ。アン・ジンゴル民生経済研究所長は「他の費用負担が適切かどうかについての議論なしに最低賃金の引き上げばかりを問題視してはならない」とし、「政府の最低賃金引き上げの速度調節で『2020年に(最低賃金)1万ウォンの公約』が実現しなかった状況なのに、加盟店主である『乙』とアルバイト労働者の『丙』同士が争っている状況」だと指摘した。

コンビニ産業成長推移//ハンギョレ新聞社

 大手企業が主導するコンビニ本社の無分別な拡張戦略も加盟店主らを脅かす要因となっている。これまで「一軒先のコンビニ」という言葉が出るほど、コンビニは急速に増えてきた。2010年に1万7千店あまりだったコンビニは、2016年には3万2600店あまりと2倍近く増えた。最近は4万店を超えたという推定値まで出た。韓国より人口が多く、「コンビニ王国」と呼ばれる日本も、5万6千店あまりの水準だ。これによって2010年のコンビニ1店当たりの人口2983人から、2016年は1585人に減った。自然と競争は激しくなり、店舗当たりの収益構造は悪化する結果につながった。コンビニはカード手数料も平均2.3%で、大型スーパーマーケットの0.7%より高い。

 この日、パリバゲット、トゥレジュール、ボンジュク、ソルビンなどの加盟店主が集まって作った全国加盟店主協議会も「加盟店主の負担がすべて最低賃金のために発生するかのように糊塗するのは正しくない」と声をあげた。同団体のチョン・ジョンヨル政策局長は「最低賃金の引き上げで店主らが困難なのは事実だが、加盟手数料も大きな苦痛の一つだ。全国の加盟店主らが本社に払う加盟手数料が2兆5千億ウォン(約2500億円)にもなるだけに、加盟本社はこのうち一部を店主らに戻す努力をしなければならない」と話した。

 加盟店主協議会は声明を出し、「カード手数料はようやく0.2%引き下げられただけで、加盟手数料の引き下げや賃貸料の引き下げも全くない」とし、「支配階層が彼らの利益のために社会的弱者間の争いを煽ったり、犯罪者化させないよう要求する」と明らかにした。さらに、「カード手数料を加盟店団体が直接交渉できるようにし、加盟事業の必要物品の範囲を最小化し、不当な物品の強要を禁止しなければならず、店舗賃貸借の更新要求権を従来の5年から10年に延長するなど店舗賃借人の保護を強化しなければならない」と要求した。

 実際、自営業者600万人のうち、職員を置く自営業者は160万人ほどだ。残りの440万人は、最低賃金引き上げの影響を直接は受けないということだ。最低賃金の引き上げのために自営業者全体が倒産するという主張は針小棒大だという指摘が出ているのもこのためだ。第一線のコンビニ店主たちの間でも、本社加盟手数料や不動産賃貸料、カード手数料が最低賃金よりもっと至急だと指摘する。あるコンビニ加盟店主は「本社の加盟手数料を1%下げるだけでも、アルバイト職員に月平均20万ウォン(約2万円)多く払うことができる」と話した。

 昨年からコンビニ店の会社は加盟店を支援するため、電気使用料支援、最低所得保障、生計資金支援などの共存策を打ち出しているが、加盟手数料の引き下げを発表した会社はまだ一社もない。ある大手コンビニ本社関係者は「営業利益率が3~4%程度に過ぎない現状で、加盟手数料まで引き下げるべきだというのは受け入れ難い要求」だと話した。他の業界関係者も「すでに営業利益の3分の1ほどを共存のための資金に使っているため、事実上手数料引き下げの効果を出している」と主張した。コンビニ会社の利益団体である韓国コンビニ産業協会の関係者は「加盟手数料は会社と店主間の個別契約なので、協会レベルで介入するのは難しい」と話した。

イ・ジョングク記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/consumer/853539.html韓国語原文入力:2018-07-16 22:11
訳M.C

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