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「43年目で初月給」…農業者月給制が好評

登録:2017-12-18 23:39 修正:2017-12-19 08:22
2013年、順天で開始…全羅南道9つの市・郡で施行 
長城郡、リンゴ、イチゴなど果樹農家も含める 
毎月月給を受け取り、収穫後に返済…利子は郡が負担
全羅南道長城で、1万6500平方メートルのリンゴ園を営むイ・ギマン氏(68)は、農業者月給制のおかげで4月に初めて月給を受け取った=イ・ギマン氏提供//ハンギョレ新聞社

 全羅南道長城で、1万6500平方メートルのリンゴ園を営むイ・ギマン氏(68)は、農業者月給制のおかげで4月に初めて月給を受け取った。25歳で農作業を始めて以来、43年目の初月給だ。彼は「郡が農業者月給制を実施して、リンゴ・イチゴ農家にまで対象を拡大したおかげ」と話した。イ氏は、4~10月まで毎月農協から200万ウォン(約20万円)を月給形式で受け取った。そして先月、リンゴの収穫を終えて、月給として受け取った1400万ウォン(約140万円)を全額返済した。利子は郡が負担した。イ氏は「リンゴ農作業も収穫前に人件費など多くの費用がかかる」として「今までは5~7%の金利でこの費用を借りて使っていたが、月給で収穫前費用を充当でき、借金の負担がなくなった」と話した。

 農業者月給制が稲作農業だけでなく果樹農家にまで広がり、農業者から好評を得ている。

 18日、全羅南道など自治体の話を総合すれば、農業者月給制を施行する自治団体は、順天(スンチョン)、麗水(ヨス)、羅州(ナジュ)市と谷城(コクソン)、潭陽(タミャン)、長興(チャンフン)、長城(チャンソン)、海南(ヘナム)、珍島(チンド)郡などだ。また霊岩郡(ヨンアムグン)も10月に関連条例を制定し、来年から施行する予定だ。

 農業者月給制は、2013年に順天市が最初に始めた政策だ。主に稲作農業をする農業者を対象にしている。地域農協は農業所得を一定期間に分割した金額を農閑期に月給として支給する。月給は30~200万ウォン程度だ。自治団体は、関連条例を制定して、農業者に支給された月給の利子相当分を負担する。農業者は収穫後に販売代金からあらかじめ受け取った月給相当額を返済する方式で運営される。

 長城郡は全羅南道で初めて果樹農家も農業者月給制の施行対象に加えた。長城郡は、コメ・リンゴ・イチゴ農業を営む151軒の農家にあらかじめ支給された月給計13億3千万ウォン(約1億3800万円)の金利を負担する方式で、今年初めて農業者月給制を施行した。

 農民の反応はきわめて良かった。長城郡が9月、農業者月給の受給者151人を対象にアンケート調査した結果、回答者の77%が「満足」と答えた。他の作物にも農業者月給制を導入すべきという要求も多かった。農業者月給制への追加品目対象として農業者たちは、柿(44.7%)、ブドウ(23.7%)、梨(15.7%)、ベリー類(15.8%)を挙げた。長城郡は他の果樹農家にも月給制を拡大する方案を検討している。ユ・ドゥソク長城郡守は「今後も農業者の営農意欲を培える多様な政策を開発する」と話した。

チョン・デハ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/area/823993.html韓国語原文入力:2017-12-18 21:34
訳J.S

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