サムスン電子の独自スマートフォンOSである“Tizen”が苦戦している。「モノのインターネット」の重要なプラットホームになりうるOSが、アンドロイドとアップルの2強体制で強まる中でサムスン電子の苦悩が深まっている。
13日、市場調査機関のストラテジーアナリティックス(SA)がスマートフォンOSの世界市場占有率を分析し出した資料によれば、今年第1四半期のTizenの占有率は0.0%(販売量7万台)まで落ち込んだことが分かった。Tizenの占有率は2015年の0.2%(290万台)、2016年0.1%(98万台)に続き継続して下がっている。一方、今年第1四半期のアンドロイドOSの占有率は85.6%まで高まった。アイフォンのiOSは14.4%だった。
現在サムスン電子の主力スマートフォンであるギャラクシーSとノートシリーズは、すべてグーグルのアンドロイドOSを基盤としている。サムスンのライバルであるアップル(iOS)は、独自OSで生態系を構築した。ハードウェアメーカーのサムスン電子が、スマートフォンを売れば売るほどソフトウェアメーカーのグーグルがデータと利益を得られる構造だ。
サムスン電子もTizenを開発しハードウェアメーカーとしての限界を越えるために努めてきた。12日、インド市場で新しく発売したスマートフォン「サムスンZ4」にはTizenを搭載した。Z4はインドの携帯電話売場で5790ルピー(約1万円)で販売される。Tizenスマートフォンは携帯電話市場の成熟度が低い新興国市場をターゲットにしている。サムスン電子はTizen専用アプリケーションを作る開発者に対しインセンティブも提供し、開発を促すためにオープンソースの公開もした。最近ではその使用範囲を広げて、冷蔵庫やテレビのような電子製品にもTizenを導入した。
だが、Tizenはブランド力の低さと慣れない使用性のために市場の拡大が容易でない状態だ。他のスマートフォン企業もサムスンの力を育てかねないTizenの搭載を敬遠している。業界関係者は「サムスン電子が多額の資金を投じて開発に乗り出したが、意味のない占有率まで落ちたTizenOS戦略について決断すべき時が来たようだ」と話した。