サムスン電子が米国での特許権侵害訴訟でアップルに負けて、スマートフォン事業の悪材料が続いている。
米ワシントンの連邦巡回区控訴裁判所は7日(現地時間)、全員合議体による再審理で「スライドによるロック解除」機能などアップルのスマートフォン関連特許3件をサムスンが侵害したというアップルの主張を認める判決を下した。今年2月、裁判官3人による合議審ではサムスン電子側の主張が認められたが、今回全員合議体がこれを覆した。同裁判所は特許を専門とする控訴裁判所だ。
11人で構成された合議体のうち8人が多数意見を出した同日の判決文によると、裁判所は「裁判官3人の審理で下された判決は、控訴の過程で提起されなかった事案に依存しているか、訴訟記録に含まれている範囲以上の情報をもとに行なわれた」として、同判決を無効化した。今回の判決でアップルが再び認められた特許は「スライドによるロック解除」、「文字入力における自動補正」、「リンクを通じた速い移動」の3つである。これによって、特許権を侵害したサムスンがアップルに1億1960万ドル(約123億5千万円)を賠償しなければならないというカリフォルニア連邦地方裁判所の判決(2014年5月)の効力が蘇った。
サムスン電子の関係者は「米最高裁判所に控訴する」方針を明らかにした。サムスン電子の米現地法人も8日、論評を出し「裁判部の決定は市場での競争ではなく、法廷の判決によって消費者の選択権を狭めるもの」だとして、遺憾の意を表した。
2012年に始まったこの訴訟は、アップルが第1審の連邦地方裁判所の判決で勝訴したが、サムスンが第2審の連邦巡回区控訴裁判所の裁判官3人による合議審でこれを覆した。連邦巡回区控訴裁判所は事件が非常に重要であると判断した場合や既存の判例を変えなければならない場合、裁判官全員が参加する全員合議体を構成するが、ここで再びサムスンの代わりにアップルの勝訴が言い渡された。
裁判所はこれとは別に、サムスン電子のデジタル写真処理関連特許をアップルが侵害したという主張に対し、アップルが15万8400ドル(約1600万円)をサムスンに賠償するよう命じる判決を下した。