スイスのIMD評価で61カ国のうち29位
倫理実践58位、安全関心度56位
企業の効率性の落ち込みが主因
「加湿器殺菌剤事件が反映された」
政府、経営システム改善方案を模索
韓国の国家競争力のランクが1年で25位から29位に4段階も下がった。日本はもちろん中国より低い。政府は、企業家の低い倫理意識と経営の不透明性が国家競争力を大きく下げた主要な要因として挙げた。
スイスの国際経営開発大学院(IMD)は30日、「2016年国家競争力評価」(IMD報告書)を出し、韓国が評価対象61カ国のうち29位だったことを明らかにした。IMD評価は、回答者の主観的判断に左右されるアンケート調査の比重が大きいため、毎回信頼度を問題視されるものの、世界銀行(WB)の企業環境評価報告書とともに、国の総合競争力を示す参考指標として活用される。
韓国の今年のランクは昨年より4段階落ち込んだ。韓国は2011~2013年に22位を維持してから2014年に26位にランクを大きく下げた後、昨年は1段階上昇していた。
今年のランク下落を導いた分野は「企業の効率性」で、昨年の37位から48位と11階段も下がっている。「政府効率性」(28→26位)や「経済性」(15→21位)、「インフラ」(21→22位)など残りの部門は小幅に下がるか改善された。
企画財政部は「ランクの落ち込みは企業の効率性部門の下落から始まった」と明らかにした。企業の効率性部門を構成する項目の「(企業の)態度や価値」や「経営慣行」の細部のランクは1年前に比べ大きく悪化した。
例えば「企業倫理の実践程度」は39位から58位に19段階も下がり、「顧客満足重視度」も14位から46位に落ち込んでいる。「経営者の社会的責任」(50→60位)、「(企業の)健康・安全への関心度」(44→56位)もランクの下げ幅が大きかった。
企財部経済政策局のミン・ヒギョン事務官は「企業効率性の部門はアンケート調査評価の比重が高い。今回のアンケート調査期間(2月1日~5月4日)に加湿器殺菌剤事件など企業倫理の問題が社会問題化し、企業の効率性部門の点数の下げ幅が大きかった」と話した。
政府は今回の評価に基づき、企業システムを改善する案を模索することにした。企財部は「企業の低い倫理意識と透明性の低下が国家競争力まで引き下げたというのが今回のIMD報告書の主要内容」とし、「こうした点を念頭に企業の支配構造など経営システムの改善に向けた努力をしていく」と明らかにした。
一方、今回の評価で香港とスイスが並んで1位と2位になった。昨年の評価で1位だった米国は3位に、4位と5位はシンガポールとスウェーデンだった。中国と日本は25位と26位に上がった。
韓国語原文入力:2016-05-31 07:58