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大企業弁護から集団訴訟に業務拡大…背に腹かえられぬ韓国大手法律事務所

登録:2016-02-02 08:23 修正:2016-02-02 08:38
大手法律事務所も避けられない“無限競争”
法務法人バルン//ハンギョレ新聞社

法務法人バルン、KB・農協カードを相手に
個人情報流出被害第3次原告募集
フォルクスワーゲンの集団訴訟も代理
主要顧客の企業との訴訟戦は異例
企業法務チームのため仕事が減り

 大手法律事務所の主要な顧客は企業だった。企業の訴訟や法律諮問が大手法律事務所の主な事業領域である。薄利多売を追求する小額・共同訴訟は、主に小規模法務法人や個人弁護士の役割だったが、最近になり変化の兆しが現れている。カード3社個人情報流出事件の訴訟がその代表例だ。

 法務法人バルンが1日、顧客の個人情報を流出したカード会社を相手に大規模な共同訴訟を推進すると明らかにした。バルンは国内の大手法律事務所の中で10位内に入る法務法人。大手法律事務所が主要顧客の企業を相手に被害者を募集し、大規模な共同訴訟に乗り出すのは極めて異例だ。

 この訴訟の“被告”は、2年前にカード3社個人情報流出事件を起こしたNH農協カードとKB国民カードだ。これに先立ちバルンは、2014年1月にカード社個人情報流出事態の発生後、1・2次損害賠償訴訟の原告を募集して共同訴訟を進めた。バルンは先月22日、裁判所が初めて情報流出被害者5000人余りがカード会社などを相手に起こした4件の損害賠償訴訟で「1人当り10万ウォンずつ支給せよ」と原告勝訴判決を下すと、直ちに今回第3次訴訟人団を募集することにした。期限は今年12月10日までだ。

 個人情報流出は他の被害者にも効力を及ぼす集団訴訟の対象ではないため、被害者は個別または共同訴訟を通じて賠償を受けねばならない。1・2次の時と違い手付金は無料だが、10%だった成功報酬金は20%に引き上げるとバルンは明らかにした。法曹界では、同じ事件で勝訴し、より多くの被害者が集まる可能性が大きいため、バルンが成功報酬金として受けることになる金額も増えると見られている。バルンは排出ガス不正問題を起こしたフォルクスワーゲンの国内購入者を代理して韓米両国で共同訴訟を進めている。

 法曹界では、バルンのような大手法律事務所が企業相手の共同訴訟に乗り出すことを意外と受け止められている。大手法律事務所は主に大企業や政府などを相手に法律諮問や訴訟代理を多くするので、企業を相手にした訴訟は敬遠しがちだ。大手法律事務所に勤めるある弁護士は「私たちは企業顧客がほとんどで、銀行、証券、カード会社も法律諮問をする主な顧客なので、そうした企業を相手にした訴訟はできない」と話した。

 バルンはのチャン・ヨンソク弁護士は「企業を相手にした営業活動があるので共同訴訟を進めるのに困難がなかったわけではない」とした上で「ただ公益に寄与しながら同時に営利活動をする趣旨で共同訴訟を始めた」と説明した。

 法律市場での無限競争時代を迎え、新しい収益モデルを創り出そうとする試みとの分析もされる。大企業の社内弁護士として勤めたことがある弁護士は「最近は企業の社内法務チームで弁護士を拡充させ、これまで法律事務所に任せていた事件を自主的に解決する場合が多い」と話した。

ソ・ヨンジ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2016-02-01 19:58

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/728822.html 訳Y.B